研究課題/領域番号 |
14750243
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 苫小牧工業高等専門学校 |
研究代表者 |
山田 昭弥 苫小牧工業高等専門学校, 電気電子工学科, 助手 (40249719)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | パルス波形制御 / 積層膜 / 磁気抵抗効果 / 磁性 / パルス電析 / 多層膜 |
研究概要 |
本研究は、液相からの薄膜作製法である電析法により、一般的な薄膜作製法として用いられている気相法では得られない新しい物質製作を原子レベルで行おうとするものであり、2年間にわたり下記の内容について研究を行った。 平成14年度は、電析法により積層膜を作製するためのパルス波形制御電源装置を試作し、これを用いて組成及び保磁力等の磁気特性の異なる強磁性層に非磁性層を積層させた非結合型多層膜の作製を試み、その電気的,磁気的性質について検討を行った。その結果、強磁性Ni,Fe及び非磁性Cuからなる非結合型多層膜を作製することができ、またその磁気抵抗効果等の測定結果から、電析法による作製技術においても比較的磁界感度の高い薄膜材料を得られることが確認できた。 平成15年度は、積層膜における磁化配列状態と磁気抵抗効果との関係について検討するため、積層膜中の強磁性層の磁化配列状態に変化を与える目的で、 (1)非結合型多層膜に反強磁性膜を積層させた場合の効果 (2)磁界中電析による効果 について調べ、また、同様の検討を積層膜の構成金属をFeからCoに変えた場合についても行った。 反強磁性膜の作製は、電析時に陽極酸化を行うことで試み、具体的には反強磁性酸化物として一般的に知られているNiOを用いた。その結果、反強磁性層堆積前後における積層膜の磁気抵抗効果に顕著な違いは見られなかったが、磁界中電析効果については、無磁界中で作製した場合と比べ、磁気抵抗比が約4割程度大きくなることが確認された。また、積層膜の構成金属をFeからCoに変えた積層膜の場合、磁気抵抗比の値自体はFeを含んだ積層膜の場合に比べわずかに小さくなるものの、磁界感度についてはほぼ同様な傾向を示すことが確認された。 以上の結果、パルス波形制御による電析という独自の方法により、磁気センサ開発への応用の可能性が示されたと考えられる。
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