研究概要 |
本研究では、現在普及している画像圧縮方式と互換性があり,非可逆圧縮のみならず可逆圧縮も可能であり、次世代インターネット・サービスの可変ビットレートにも対応できる、新しい画像圧縮方式の研究・開発を目的としており,平成14年度から15年度の2年間をかけて研究が実施されている.以下,後半の1年間における研究成果について概要を記す. インターネット通信網の特性を考慮して、UDP上での画像通信を想定したパケット生成法を考案した。これをスキー場における人物行動の監視システムに応用することで、実用上の効果について検討した。リアルタイム処理についても考慮した行動監視アルゴリズムの開発を行った.結果は画像符号化シンポジウム(PCSJ)において発表した. 画像の無歪圧縮に関しては、圧縮処理のハードウェア規模の縮小を目的として、可逆DCTにおける乗算器係数の短語長化について検討した.とくに、画像信号の有色製を活用することで、効果的な短語長化が実現された。結果は電子情報通信学会の論文誌に掲載された。また、電気通信普及財団のテレコムシステム技術賞(奨励賞)を受賞した。その後、VDECによる論理回路シミュレーションを行い、回路規模の縮小が期待できることを確認した. 従来の非可逆符号化との互換性を考慮して、接続時に発生するラウンディング誤差の評価を行った.回路内における誤差の伝播プロセスを解析することで、画質劣化量を理論的に評価し、劣化の新しい低減方法を提案した.結果はH16年4月に電子情報通信学会の論文誌に掲載される。
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