配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
研究概要 |
本研究では,体操選手の鉄棒運動を模擬した2つのリンクからなる劣駆動ロボット(Acrobot)に対して,逆上がり倒立,大車輪運動,宙返り着地を実現する特異姿勢(制御不能となる姿勢)の存在しない制御則の開発に成功し,劣駆動アクロバットロボット実機による振り上げ・安定化制御に成功した.本年度の主な研究成果としては,以下のものを挙げる. 1.初期角運動量を有する2リンク浮遊ロボットの姿勢制御問題に関する研究 初期角運動量を有する2リンク浮遊ロボットを対象とし,与えられた初期姿勢から有限時間後に目標姿勢を通過させる制御問題に対して,従来の制御則には,特異点が存在することや,収束が大域的に保証されないことなどの問題点があった.さらに,ほとんどの制御則は角速度によるものであるため,実際応用に不向きである.そこで,我々は特異点が存在せずかつ大域的に収束が保証される加速度入力による制御則の設計法を提案し,上記の姿勢制御問題を完全に解決した. 2.エネルギー制御法によるAcrobotの振り上げ制御則の設計・解析 リアプノフ安定性理論に基づき,エネルギー制御法による2リンク劣駆動鉄棒ロボットAcrobotの振り上げ制御則を開発し,エネルギーの収束性とAcrobotの動きに関する解析を理論的に解明すると共に,振り上げ制御を大域的に成功させるための制御パラメータに条件を与え,エネルギー制御法がAcrobotの振り上げ制御に有効であることを理論的に示した. 3.劣駆動アクロバットロボットの実機検証 Acrobotに対して,シミュレーションによる制御則の検証はあっても,実機を用いた研究は少ないようである.そこで,Acrobotの姿勢制御問題を理論と実機検証から研究することを目的として,Acrobotの実機製作を試み,よく用いられるベルト駆動方式で第2関節のみを駆動する2リンク劣駆動ロボットを製作し,提案したエネルギー制御法による振り上げ制御則で実機実験による逆上がり倒立制御に成功している.
|