研究概要 |
半島地域における交通行動実態の全容を解明していくためには,観光行動の面のみならず,小都市や農山村地域におけるパーソントリップの実態や,国土保全の観点から見た農山林地域の保全活動のために必要となる移動・運搬の実態など多角的な面からの交通実態調査とその解析を進めていく必要がある.本研究においては,和歌山県を主に対象として半島地域の小都市や農山村地域におけるパーソントリップの実態を把握することを目的とした. 平成14年度においては,紀伊半島中西部に位置する和歌山県御坊市(人口約28千人・世帯数約9,600世帯)及び日高郡10町村(人口約64千人・世帯数約21,600世帯)を対象として,ダイアリー形式によるアンケート調査により平成14年10月15日〜10月21日の1週間にわたる交通行動を調査した.調査票の配布は抽出率2%の地区別層別抽出により599世帯に配布し535世帯分を回収(回収率89%)したが,1週間連続という煩雑な調査となったため有効回答世帯数は375世帯(有効回収率63%),個人票数は904票(中学生以上を対象)であった. 平成15年度においては,この調査データを活用して,半島地域における交通行動実態の解明に取り組んだ.この調査データを活用して,半島地域における小都市とその後背地との間における交通実態とそのトリップ特性から見た地域との関連性(例えば,通院といった高齢者に特徴あるトリップ,買物行動といった都市依存型のトリップ,文化・レクリエーション行動)をとらえた.
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