研究課題/領域番号 |
14750472
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築構造・材料
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
西村 康志郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (00343161)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
|
キーワード | 3方向加力実験 / 地震応答解析 / 3軸非線形復元力特性 / 鉄筋コンクリート構造物 / スリップ型 / 三方向加力実験 / 三方向地震動 / RC構造物 / 応答解析 / 塑性論 / 三軸非線形復元力モデル |
研究概要 |
鉄筋コンクリート部材を対象としたスリップ型の多軸非線形復元力モデルを作成するために、鉄筋コンクリート部材の3方向加力実験を行った。スリップ型の復元力特性とは、部材に横方向に一軸繰り返し荷重を作用させたときに、荷重がほぼ作用していない状態で、荷重が増減せずに変形のみ進行する挙動のことである。鉄筋コンクリート壁や主筋の付着が不十分な鉄筋コンクリート柱・梁部材では、このような挙動が顕著である。今年度の実験では、主筋の付着を除去することで、人為的にスリップ型の挙動を示す鉄筋コンクリート柱試験体を作製し、一定軸力下での2方向繰り返し逆対称曲げを作用させる実験を行った。今回の実験結果より、以下の知見を得た。 (1)繰り返し変形の過程で、コンクリートの負担する応力が減少したときに、力-変形関係においてスリップ型の拳動を示す。 (2)低軸力ではスリップ型の力-変形関係を示す部材でも、軸力が高くなるとスリップ型の挙動を示しにくくなるが、大変形時ではスリップ型となるので、大変形まで考慮した地震横行解析では、スリップ型の挙動を考慮する必要がある。 (3)スリップ型の挙動を示す変形領域は変形履歴に依存しており、変形履歴が偏っている場合、部材が再び降伏する前においても、力増分の方向と変形増分方向が大きく異なる場合がある。 (4)横荷重が作用している状態で、その作用方向と直行する方向に繰り返し変形を与えてもスリップ型の挙動を示さない。すなわち、スリップ型の挙動は2方向横荷重の合力が零に近いときのみ起こり得る現象と言える。 現在、この実験結果を基にスリップ型の多軸非線形復元力モデルの試作が完了したが、今後、実験結果との対応性や実用性を向上させる必要がある。試作モデルでは、経験変形点と原点を包絡するようなスリップ領域を変形平面上に仮定し、その領域内では非常に小さい剛性を採るようにしたモデルである。
|