研究課題/領域番号 |
14750517
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 東北文化学園大学 |
研究代表者 |
山本 和恵 東北文化学園大学, 科学技術学部, 専任講師 (10230541)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 環境療法士 / 療養環境 / 癒し空間 / 病室 / 居室 / 生理指標 |
研究概要 |
本年度は「専門とする建築計画学」の視点から、基本に立ち返り療養環境整備のための事例研究を徹底して行った。また最終年でもあることから、査読論文や発表論文として、成果を公開することにも軸をおいて活動した。対象は、在宅における「要介護高齢者の生活」、がん終末期の患者の「在宅看取り」の現状、ALS患者の在宅における「療養と介護生活」など、いずれもクリティカルな状況にある療養現場での、家庭訪問による詳細な生活実態のケーススタディーである。療養者と家族の住まい方とすまいの関係を建築計画学の視点から分析・整理することにより、環境療法士成立のための基礎的データの蓄積と理念の構築に寄与した。療養を想定した空間設計には、近代以降基本単位とされてきた独立した個の概念を見なおすことが妥当であることを証明することができた。他者の助けを必要とする、すなわち個が社会化することにより、空間には開放性が求められる。この知見は住宅研究の分野での注目を集める結果となった。また具体的な状況に合わせた、空間操作の手法(しつらえ等)の基礎的なデータを蓄積することができた。この建築計画的知見は、環境療法士の理念構築を助けるものとなった。 また本研究を通して、医学、看護学、介護学の専門家と、新しい体制の研究チームを始動につなげることができた。今後は、本研究で得られた「理念モデル」と「各種基礎データ」の蓄積をもとにさらに上位の研究につなげるものである。特に苦戦していた生理指標の利用のためには、行動医学の専門家との共同研究も決まり、学術論文にできるよう検討している。来年度からは本格的に医療現場も含み、実験的手法による研究を進めるものである。
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