研究課題/領域番号 |
14750519
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 東京家政学院大学 |
研究代表者 |
伊藤 真奈美 東京家政学院大学, 人文学部, 助手 (30301518)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 八重山列島 / アイヌ / 台湾原住民 / 韓国民俗村 / 伝統的集落・住居 / 方向性 / 風水思想 / 住まい方 / 韓国 |
研究概要 |
国内外の研究機関の協力を得て各種資料の収集を行った。 アイヌの伝統的住居配置の規則性はカムロ(神)に基づくと考えられる。祭事では役割による配置・順序が明瞭であるが、室内での男女間の相違の有無についてはヒアリングによって相反する意見が得られ、今後検討の必要がある。また、地域によって屋内外の構成要素や方向性に相違があり、立地特性等が密接に関係すると考えられる。 台湾原住民族の伝統的住居においては、山地と海洋で相違がみられる。山地原住民は、太陽信仰により東側を上位とする規則性があるが、台湾蘭嶼島のタオ族(海洋原住民)は、島周囲に集落を構えることにより方位性が定まらない。しかし、対角線上に結ぱれる集落や海と山という軸線、住居内に限定した方向性については規則性が窺える。 タイやベトナムの北部山間地に居住する少数民族には、男女・年齢・時間軸等によって居住空間を使い分ける例がみられる。男女別の空間が存在するほか、幹線道路沿いに家屋の棟方向が平行する点、起伏のある集落では等高線に沿って家屋の棟が配置される点、屋外空間である露台において男女・年齢別における生活時間の差異が見られることが分かった。タイの風水について、バンコク地域は王宮を例として、北部チェンマイ地域との比較を行った。国土が南北に長く、北部と南部では地形も異なることから、これら2地域に分けて考えた場合、南部バンコク地域には西側に豊かなチャオプラヤ川が流れるが、地形は平坦で起伏に乏しいことから、チェンマイ地域のほうが水と山に恵まれ、風水の点から注目すべき地域との結論を得た。 韓国済州島の家屋構成は本土と大きく異なり、男女別の居室はなく、夫婦で1室を使用するという見解を得た。これらの研究成果をもとに自然共生型住居の提案等を行ったが、今後の課題として実際に室内環境を計測し、様々なデータと重ね合わせる等の実証的な研究が必要であると考えている。
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