研究課題/領域番号 |
14750521
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
灰谷 香奈子 早稲田大, 理工学部, 助手 (70339711)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2004年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | 都市計画 / 東京圏 / 郊外 / 住宅団地 / 桐ヶ丘団地 / 建替え / 桐ケ丘団地 |
研究概要 |
本年度は、当該団地における建て替え事業にともなう高齢居住者の住環境変化を住棟の高層化による影響と近隣関係形成の変化という2つの側面から捉えることを試みた。 アンケート調査では自治会に協力を得て900部配布し、299部、33.2%の回収率であった。 結果、高層になるほど外出頻度が低下し、災害への不安意識が高くなる一方、眺望への評価が高くなった。バリアフリー化により、外出頻度の低下は抑えられるかと予想したが、エレベータの待ち時間が長いことから、外出が億劫になっているとの回答が得られた。また、建て替え事業による仮移転や再編成などにより、自治会も混乱、近所づきあいも崩壊している姿が浮かび上がってきた。コミュニティ空間について、既存の低中層棟および、新築中高層棟において、片廊下型の住棟では、56%の近隣づきあいが、廊下にて行われているのに対し、高層棟(19階)では、廊下では34%、エレベータでの比重が高くなっている他、全体のコミュニケーション量は、既存住棟よりも22%減少しているなど、生活領域の縮小が明らかになった。 高齢者は、高層棟に入居することにより、プライバシーが確保されることに安心感を抱く人がいる一方、外部との関係が切れることに不安を抱いている人が多かった。 コミュニティスペースを加えた生活領域が小さくなることへの対処として、プライバシー空間とパブリック空間の曖昧さをいかに作り出すかが課題である。新住棟では、パブリック空間は、独立した部屋になっている。都営住宅の役割に鑑み、福祉的、高齢者への配慮として、新しい高齢者生活スタイルとその器としての住棟、住戸のスタイルを作りだしていくことが求められるのではなかろうか。そこで、高層棟においても、廊下部分を広くし、外気に接するとともに、各住戸と廊下の間の連続性を自由に調節できる仕組み-引き戸、縁側、土間空間など-を設けるなどの提案を行いたい。
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