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近代日本における鉱工業系企業社宅街の成立と居住空間構成の特質に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14750528
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 建築史・意匠
研究機関北海道大学

研究代表者

池上 重康  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30232169)

研究期間 (年度) 2002 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
キーワード社宅街 / 住宅地 / 傾斜地居住 / 近代日本 / 鉱工業 / 近代化遺産 / 企業城下町
研究概要

本研究当初より調査対象地区としてきた、香川県直島町の三菱マテリアル社宅について、特に傾斜地に立地する社宅街-鷲の松社宅とヘキ社宅-の2カ所について、敷地断面ならびに配置の実測を行なった。社宅は、会社を主体とする住宅地開発であり、そこには資本的バイアスのかからない、純粋な立地条件を拠り所とする居住システムを見ることができる。
鷲の松地区においては、先発の社宅は工場に近いところから上級の役員が居住し、かつ高位に上級役員の住居が配置されている。後発の居住地区は、職級の低い役員に与えられ、これらは傾斜地としても低位にあたる。すなわち、複数の職級が混在する地区において、住戸の配置を決定するのは、工場への距離ならびに土地の高低差であることが、当該社宅地区において明らかとなった。また職工を対象としたヘキ社宅においては、土地の高低差や工場への距離は住戸配置には影響を与えず、グリッドにしたがった配置計画となっていた。そのため、浴場等共同施設へのアクセスの利便性を図るため、主要街路以外に法面にも階段をもうけていた。
この考察と並行して、北海道内の鉱業系社宅街の居住傾向についても考察した。空知地方における炭礦住宅地であるが、産炭地は複数企業が同時に開発に入り、かつ谷間の立地という条件から住宅地としての余裕がなく、必然的に傾斜地に高密度に社宅街が開発された。職工地区では、先のヘキ社宅と同様、グリッドにしたがって配置された。
一概に社宅街といっても、工業系と鉱業系では職階級の差異、立地など根本的に正確を異にする点が多数存在する。工業系だけでも職種によっても居住者の階層が異なる。さらに開発年代によっても、社宅開発への意図が異なるなどのことが改めて明らかとなった。社宅開発は、非都市域における、日本での住宅地開発の一事例である。今後さらなる事例の収集が望まれる。

報告書

(3件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 文献書誌 (1件)

  • [雑誌論文] 北海道空知地方における住友系炭鉱住宅街について2005

    • 著者名/発表者名
      牧野宏史, 角幸博, 石本正明, 池上重康
    • 雑誌名

      第13回 都市形成・都市史公開研究会 郊外居住地の系譜と再編-都市化の中の工場と社宅-

      ページ: 25-28

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 角哲, 角幸博, 池上重康: "三菱マテリアル株式会社直島精錬所社宅街について"日本建築学会大会学術講演梗概集(東海)F2. 597-598 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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