研究概要 |
本研究では,ペロブスカイト構造を有する(La,Li)TiO_3リチウムイオン導電体を用いた集積化によるリチウムイオンマイクロ電池やセンシングデバイス構築を目的として研究を行っている。本年度は,その出発材料となる,Li-TiO_2非晶質球状粒子の組成制御やLa_2O_3-Li_2O-TiO_2非晶質球状粒子の組成制御さらに,得られた単分散球状粒子の直接的な配列化について詳細な検討を行ってきた。以下に本年度に得られた成果をまとめる。 (1)我々が見いだしたイオン交換ゲル化法により,Li_2O-TiO_2非晶質球状粒子を様々な組成で得ることができた。これを空気中800℃で1分間という短時間の熱処理ですでに,リチウムイオンマイクロ電池の負極として利用できるLi_4Ti_5O_<12>が高い結晶性をもつ単相で得ることができた。また,粒径や分散性などをほとんど変化させずに得ることができることがわかった。 (2)Li_2O-TiO_2非晶質球状粒子中のリチウムの一部をランタンでイオン交換することによって,様々な組成をもつLa_2O_3-Li_2O-TiO_2非晶質球状粒子を得ることができた。組成を最適化したこの非晶質球状粒子を1200℃で熱処理することよって,室温で4.0×10^<-3>Scm^<-1>といった高い導電性を有する(La,Li)TiO_3リチウムイオン導電体が単相で得られた。 (3)以上の(1),(2)で得られた非晶質球状粒子は直径10μmの白金線を用いることにより,静電吸着により非晶質球状粒子の捕獲および放出が可能であり,マニピュレータを用いることにより直線上に配列することができた。現在この配列した非晶質粒子の熱処理条件を検討している。
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