研究課題/領域番号 |
14750561
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 豊田工業大学 |
研究代表者 |
垣内田 洋 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, ポストドクトラル研究員 (40343660)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 光ファイバー / 伝送損失 / 仮想温度 / シリカガラス / 屈折率 / 密度 / ハロゲン / 構造緩和 / Rayleigh散乱 / フッ素 / 塩素 / 密度揺らぎ / 濃度揺らぎ |
研究概要 |
シリカ系光ファイバーの伝送損失の主要因は、Rayleigh散乱である。本研究の目的は、この散乱を低減するための最適な物性制御条件を見出すことである。Rayleigh散乱は密度ゆらぎと濃度ゆらぎが原因で生じ、これらのゆらぎはそれぞれ凍結温度(仮想温度)と添加物に関っている(14年度報告)。本年度は、構造緩和が仮想温度、添加物と密接に関わっているということ、ファイバーの伝送条件などを決めている屈折率と仮想温度、添加物との関係を明らかにした。また伝送損失を下げるために、ファイバー線引き炉の直後に再加熱炉を設けるという方法を検討し、この炉でのアニーリング温度、時間と散乱低減の限界値との関係を、これまで得られた結果から見積もった。例えば速度20m/sの線引き装置において、線引き方向に1m長の加熱炉を設けることで0.5秒のアニーリングが可能となる。そしてこの炉の温度を1320℃とすることで、0.144dB/km@1.55μmの超低損失を実現できる可能性がある。さらにこのような最適条件を実現するために、光ファイバーメーカーと共同でファイバー線引き装置に取り付け可能な特殊再加熱炉を開発中である。 一方このような研究において、ガラスの物性に関する知見を得ている。その一つは非晶質固有の性質である構造緩和過程に関わるものである。構造緩和はガラスの構造が熱平衡に向かって変化する過程で、本研究でこの緩和過程が温度と添加物だけでなく仮想温度に深く関わっていることを明らかにした。もう一つは添加物が仮想温度と物性との関係に及ぼす影響に関する知見である。ガラスの物性は仮想温度と密接に関わり、この仮想温度は冷却速度や熱処理によって変わってしまうため、ガラスの物性を正確に制御することは難しい。しかし本研究で、シリカガラスにハロゲン元素を適切な濃度で添加すると屈折率や密度が仮想温度に依存しなくなることを見出した。
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