研究課題/領域番号 |
14750563
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
松田 弘文 独立行政法人産業技術総合研究所, スマートストラクチャー研究センター・若手任期付研究員 (00282690)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ビスマス層状構造強誘電体 / 圧電体薄膜MEMSデバイス / 強誘電体メモリデバイス / 化学溶液法 / 原子間力顕微鏡 / 圧電力顕微鏡 / 配向制御 |
研究概要 |
平成14年度で確立した、高品質かつ高性能なBi_4Ti_3O_<12>(BIT)系多結晶強配向薄膜の合成方法及び単純形状への微細加工技術を用い、平成15年度に実施した研究において、材料開発フェーズでの最大の成果は多結晶薄膜においても単結晶材料の持つ理想的な強誘電体特性・圧電体特性を発現させ得る薄膜合成に世界で先駆けて成功したことである。従来、強誘電体・圧電体薄膜の特性は、バルク単結晶材料の特性に比べ劣ることが通説となっており、これを覆す成果は国内外に多大な反響を呼び、米国電気化学学会(ECS2003)及び米国材料学会(MRS2003)という、機能性酸化物分野で世界的に最も権威ある学会において招待講演を依頼され、また国内においては日本セラミックス協会電子材料討論会研究奨励賞を受賞した。 得られたBIT基多結晶強配向薄膜に、ドライエッチングにより数μmオーダーの構造に加工を行って成形したマイクロキャパシタセル及びマイクロ圧電素子について、原子間力顕微鏡(AFM)による強誘電特性・圧電特性の評価を実施した。その結果従来報告のあった多結晶焼結体・薄膜に比べ優れた強誘電・圧電応答を示す薄膜であることを示し、特に希土類添加を行うことで、BIT多結晶バルク体の約3倍の圧電定数(d_<33>=60pm/V)と優れた強誘電残留分極(P_r=46μC/cm^2)という、単結晶BITに匹敵する特性の発現に成功した。これにより材料開発フェーズを終了し、圧電体マイクロデバイス開発に着手した。まず100μmオーダーの構造での圧電特性をレーザー振動計により評価し、上記のAFMによるナノオーダー領域での特性とよく対応することを示した。圧電体薄膜の特性評価においては、その簡便さからAFMによる評価が盛んに行われているが、ナノオーダーとミクロンオーダーでの特性を総合的に評価した例はほとんどなく、デバイス評価の分野でも先駆的な研究実績を上げ、有力外国雑誌へ論文投稿中である。
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