研究課題/領域番号 |
14750564
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
複合材料・物性
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
賓 月珍 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助手 (90343269)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ / ポリエチレン / ポリアクリロニトリル / ヨウ素ドーピング / 複合材料 / 高性能導電性材料 / ポリイミド / ポリアクリルニトリル / 表面修飾 |
研究概要 |
本研究の目的としては、高分子のマトリクスの中にカーボンナノチューブ(CNT)が最適な量比で均一に分散させ、高分子鎖が配向すると共にCNTも延伸方向に配向させることにより、高強度高弾性率を有する導電性材料を開発する。 平成14年度にゲルー結晶法を用いて、CNTを超高分子量ポリエチレンに複合することにより、高強度高弾性率を有する導電性材料の開発に成功した。 平成15年度の研究成果は、以下の三つがある。 1、CNTを超高分子量ポリエチレンの複合ゲルフィルムにヨウ素ドーピングを施すことにより、電気伝導度は10^1〜10^4S/cmの上昇がみられ、CNTが低含有量で高い電気伝導度を示し、材料の力学特性と熱的な安定性も低下しないことを見出した。この研究結果を平成15年12月昆明で開催された「第5回中日高分子ABC科学技術交流セミナー-高分子ナノテクノロジーの展開-」で招待講演を行った。 2.CNTとポリアクリロニトリル(PAN)とブレンドし、さらにブレンドゲルフィルムを先駆体として、熱処理による安定化と炭素化、黒鉛化を行い、熱処理段階での構造と物性を検討した。CNTの含有量が増加するにつれて貯蔵弾性率は上昇し、CNTが試料の補強材の役目を果たした。電気伝導度はCNTの含有率が5%を越えると急激に増加した。そこで10倍延伸した複合フィルムを用いて炭素化と黒鉛化を行った。熱伝導性のよいCNTを混入したため、(002)面の成長はより早く進んでいることが確認できた。この研究結果はAdvanced Functinal Materialsに掲載決定である。 3.ポリイミドの合成段階でCNTを混入し、高強度、耐熱性の強い複合フィルムができた。CNTの種類と形態が得られた複合フィルムの電気伝導度に大きく影響していることが確認できた。Hyperion社の多層カーボンナノチューブを用いた場合、1wt%のMWNTを含有した試料の電気伝導度はポリイミドのみのものより10^<10>S/mの上昇がみられ、10^<-1>S/mとなった。この研究結果は平成16年5月、第53回高分子年次大会で発表する予定である。
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