研究課題/領域番号 |
14750576
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造・機能材料
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
安田 弘行 大阪大学, 超高圧電子顕微鏡センター, 講師 (60294021)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 超弾性 / 金属間化合物 / 転位 / 逆位相境界 / 形状記憶合金 / 電子顕微鏡 / Fe / Al / 逆異相境界 |
研究概要 |
マルテンサイト変態に因らないFe-Al系合金の超弾性挙動のAl濃度依存性ならびに結晶方位異方性について研究を行なった。同合金単結晶の超弾性はFe-23at%Al程度の組成で最大となり、この組成からのずれに伴い歪の回復率が低下した。23at%Alの回復可能歪は5%程度であり、実用化されている超弾性合金のそれに匹敵する。また、Fe系でこのような巨大超弾性が得られたことは過去にない。この23at%Alでは転位が逆位相境界(APB)を引き摺りながら運動し、除荷時にAPBが転位を引き戻すことで超弾性が発現することがわかった。一方、28at%以上のAl濃度を有する合金では、転位がAPBを挟んで4本ペアで運動するため、超弾性を示さない。こうした転位の運動形態はFe-Al系合金に発達する規則ドメイン構造と密接に関係しており、とりわけ10nm程度の微細ドメイン構造が超弾性の発現に不可欠であることを明らかとした。一方、Fe-Al系超弾性単結晶はbcc金属に類似の強い方位異方性を示し、双晶方位よりも反双晶方位で変形が困難になる。この方位異方性を反映し、歪回復率は双晶方位の方が高い。さらに、双晶方位と反双晶方位の中間となる<149>方位で最大の回復率が得られる。その原因は、応力負荷時に双晶方向であっても除荷時には反双晶方向となり、除荷中の転位運動が困難になるためである。このように、Al濃度や結晶方位を最適化すれば、Fe-Al系合金は十分な超弾性特性を示すことを明らかとした。
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