研究課題/領域番号 |
14750600
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学一般
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
火原 彰秀 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (30312995)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
|
キーワード | マイクロ多相流 / マイクロチップ / 流体解析 / マイクロチャネル / 準弾性レーザー / 向流抽出 / 流体特性 / PIV / 準弾性レーザー散乱法 / 向流 |
研究概要 |
化学装置を数cm角の基板上に集積化する研究が、近年急速な勢いで進展している微小流体の研究として、2相以上の相合流・相分離を利用したキレート溶媒抽出・相間移動反応などを現在までに実現した。本研究では、微小流体は通常スケールとは異なる境界条件が必要であるという観点からマイクロチャネル肉の微小流体を解析し、自由に設計・制御する方法を開発することを目的とする。平成14年度には、上面を親水性、下面を疎水性とする表面修飾パターンニング法により幅300μm深さ200μm全長20mmのマイクロチャネル内の安定多相流を実現した。また、液液界面における界面張力波による光散乱を計測する手法である準弾性レーザー散乱法を顕微鏡下で実現した(μQELS法)。 平成15年度は、表面修飾パターニング法を利用したマイクロ空間における油水対向流(マイクロ向流)を実現し、回収効率を飛躍的に向上できる向流抽出を世界で初めて実現した。また、流体を蛍光粒子可視化法により解析したところ、レイノルズ数が1程度であるにもかかわらず液液界面付近で渦を形成していることを観測した。マイクロ向流中の水相・油相は、従来の流体力学に見られないマイクロ界面における特異な流体力学的挙動を示すという発見があった。 また、μQELS法により、マイクロ二相流界面の流体特性について検討した。従来のマクロスケール実験では、油水平行層流を形成することは難しく、実現できたとしても大きな剪断応力を印可することは不可能であった。本研究で開発したマイクロチャネル修飾法を利用することにより、液液界面に大きな剪断応力を印可したところ、界面張力が変化するという現象を見出した。このことは、液液界面における新規な境界条件の必要性を強く示唆している。従来実現できなかった実験をマイクロ化学システムの技術を利用して実現した。
|