研究課題/領域番号 |
14750608
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
山村 方人 九州工業大学, 工学部, 助教授 (90284588)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 相分離 / 高分子 / 薄膜 / マランゴニ対流 / 溶媒乾燥 / 可視化 |
研究概要 |
平成14年度までに、リライタブル熱記録媒体のモデル溶液としてポリスチレン・ポリカーボネート・テトラヒドロフラン溶液を用い、テトラヒドロフランの乾燥過程で発現する相分離構造について検討した。その結果、溶剤の乾燥過程で、表面流動と相分離とがカップリングした規則的な相構造が発現することが明らかとなった。本年度はこの現象の数値モデリングを目的として、相分離ダイナミクスを記述できる多成分拡散モデルの開発を主として行った。単純な溶媒-ポリマー2成分系相分離の数値モデルはほぼ確立しているのに対して、3成分以上の系に対する数値モデルは未発達である。例えば3成分系の拡散を記述するには、2つの主拡散係数と2つの交差拡散係数が必要であるが、従来これら4つの拡散係数は経験的フィティングパラメータとして扱われており、実験値と比較可能な定量モデルは存在しなかった。そこで本研究では、自己拡散係数を重み関数とする新しい多成分系摩擦モデルを提案した。自己拡散係数は実験的に測定可能であるため、新モデルに含まれるパラメータは全て事前に決定できる。まず相分離を伴わない3成分溶液に新モデルを適用し、導かれた主拡散係数と交差拡散係数を実測値と比較した。その結果、新モデルによる拡散係数の予測値は、既存のモデルよりも実測値に一致し、本モデルが定量的に信頼できる数値モデルであることがわかった。続いて新モデルを、相分離が発現する非平衡3成分ポリマー系に適用した。簡単のため相分離のごく初期過程に着目して線形近似を導入した。新モデルを用いて相分離構造の発生速度を求めたところ、溶媒の自己拡散係数が増加するにつれて構造発生速度が増加する「溶媒による相分離促進効果」を新たに見出した。これは相分離の駆動力が、ポリマーの濃度勾配のみではなく、溶媒濃度勾配にも依存することを示しており、実験事実とも一致する。
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