研究課題/領域番号 |
14750656
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中西 周次 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (40333447)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 非線形現象 / 電気化学振動 / ナノ構造 / 時空間パターン / 自己組織化 / 固体表面 / 電気化学振動反応 / 自己触媒反応 |
研究概要 |
本研究は、1.電極触媒反応を用いた非線形現象に伴う時空間パターン発現の機構解明、2.電気化学非線形現象を利用した微細構造形成の2本の流れを軸に遂行された。 1.H_2O_2およびS_2O_8^<2->の電気化学的還元反応では自発的な電位・電流のリズム形成現象(振動現象)が現れる。本研究では電極として原子レベルで構造の規定された単結晶金属を使用し、その反応機構の原子・分子レベルでの解明を行った。この研究を通して電極表面上に吸着したハロゲンなどの電気陰性種がH_2O_2、S_2O_8^<2->の吸着に対し大きな促進効果を有することを見出し、それをもとに振動現象の機構を解明することに成功した。さらに、その現象の時間リズムだけでなく電極表面上の反応位相の時空間マッピングを行い、振動現象に伴い様々な2次元時空間パターンが現れることを見出した。そして、上記のメカニズムを数理モデル化しシミュレーションすることで計算上でも同様の2次元パターンを再現することに成功した(未発表)。この反応系は電極触媒型であり、反応の前後で電極表面構造は変化しない。このことが電気化学系における非線形現象の機構解明を容易にし、これにより人為的に時空間パターンを誘発する手法を確立した。 2.上に示した電極触媒型の反応系では電極表面上(固体表面上)に構造を形成することが不可能なため、研究目的遂行のため反応の履歴が構造として残る金属の電析反応における振動現象を利用した。振動現象を伴う金属電析反応に関する報告例で機構が解明されていたものはこれまでに無かったが、電極触媒型振動現象の研究で得た知識・知見を元に反応系にカチオン性の界面活性剤を加えるだけという非常に簡単な方法で振動現象の誘発に成功した。また、そうして得られた振動現象に誘起して、金属・合金のナノ多層薄膜構造の形成、および亜鉛・スズ・鉛などの金属の微細ネットワーク構造など振動現象なしでは決して得られない特異な構造の形成に成功した。
|