研究課題/領域番号 |
14750657
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
工業物理化学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
駒口 健治 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80291483)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2004年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 化学進化 / 低温固相化学反応 / 量子力学的トンネル効果 / 電子スピン共鳴法 / 二分子ホモリティック置換反応 / 水素原子引き抜き反応 / in-situ ESR / 水素原子付加反応 / 低温固相反応 |
研究概要 |
最終年度は、これまで行ってきたメチルシランおよびメチルゲルマンからの水素原子トンネル引抜き反応の発展として、ジシラン(SiH_3SiH_3)からの水素原子引き抜き反応をin situ ESR法を用いて調べた。水素原子およびCH_3ラジカルによる水素原子引き抜き反応は、メチルシラン系よりも反応速度が大きいため、4K-77Kの極低温で試料調製直後に、ジシリルラジカルに由来する比較的強いESRスペクトルを観測した。水素原子引き抜き反応が早い原因として、ジシランにおける頻度因子の増加および反応前後の局部構造の変化が小さいことがトンネル反応に有効に作用していると考えられる(投稿準備中)。 また、77K以下の低温固相中で、CH_3XD_3(X=Si, Ge)のCH_3-基とCD_3ラジカルとの置換反応が、2分子ホモリティック置換反応(S_H2)的に起こることを見出した。ab initio MO計算結果によると、生成物であるCD_3XD_3の零点振動エネルギーは、反応物CH_3XD_3よりも約1 kcalmol^<-1>小さい。選択的重水素化による反応前後の零点エネルギー差およびX部位からの水素原子引き抜き速度の減少(1/5200)による顕著なH/D同位体効果により、メチルラジカルのS_H2的反応をESR観測できたと考えられる(Chem.Phys.Lett.投稿中:CPLETT-05-642)。この反応は、SiやGeを結合中心とする超原子価結合からなる反応前駆体を経由している可能性があり、宇宙塵および低温固相中の化学反応として大変興味深く、今後の展開が期待できる。
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