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遷移金属触媒を用いたsp^3-sp^3カップリングによる含フッ素化合物の合成

研究課題

研究課題/領域番号 14750667
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 有機工業化学
研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

今野 勉  京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (70303930)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
キーワードフッ素 / パラジウム / 含フッ素化合物 / π-アリルパラジウム錯体 / ギ酸還元 / 炭素-炭素結合反応 / 不斉反応 / 位置選択的 / トリフルオロメチル基 / 遷移金属触媒 / モリブデン / メシラート / 安定カルバニオン / モノアリル化生成物 / ビスアリル化生成物
研究概要

フルオロアルキル基を不斉炭素に持つ骨格を含有するフッ素化合物は、様々な生理活性化合物中に見られる構造であることから、近年その不斉合成研究が活発に行われている。しかしこれまで報告されている例はそのほとんどがジアステレオ選択的反応であり、筆者の知りうる限り、エナンチオ選択的炭素-炭素給合反応はわずか数例にすぎない。筆者はこの現状を踏まえて、不斉配位子を持つ遷移金属触媒を介したsp^3-sp^3カップリング反応を試みた。一般にα-位がフルオロアルキル化された2級アルコールのエステルを用いた、炭素求核剤によるSn2反応は、エステルにトリフラートを用いても反応が進行しにくいことが知られている。そこでパラジウム触媒存在下、α-トリフルオロメチル-α-ブロモ酢酸エステルと様々な炭素求核剤との求核置換反応、あるいはα-トリフルオロメチル-α-ブロモ酢酸エステルと亜鉛末から調製される亜鉛試剤とボロン醸との反応を試みた。種々条件を詳細に検討したが、いずれの反応においても脱フッ素化反応が優先して進行し、目的化合物は全く得られなかった。そこで次に反応点がsp^2炭素様である含フッ素π-アリルパラジウム錯体の炭素求核剤による求核置換反応を試みた。π-アリルパラジウム錯体の末端炭素にフルオロアルキル基を導入し、この炭素上で反応を行わせることができれば目的化合物を構築できる。しかし詳細な条件検討をした結果、求核剤として反応したのはマロン酸ジエチル由来のエノラートのような安定カルバニオンだけで他の炭素求核剤は全く反応しなかった。また安定カルバニオンは、フルオロアルキル基が結合する炭素ではなく、他方の炭素にのみ攻撃し、したがって得られた化合物はフルオロアルキル化されたアルケンであり、フルオロアルキル基を有する不斉炭素を構築することはできなかった。そこで筆者は発想の転換をし、3位がフルオロアルキル基とアリール基あるいはアルキル基で置換されたアリルアルコールのエステルを基質に用い、パラジウム触媒存在下でのギ酸還元反応を行ったところ、反応は位置選択的に進行し、フルオロアルキル基の結合する炭素上でヒドリドが反応した、目的の化合物が高収率で得られた。この反応は様々な置換基を有する基質を用いても同様の選択性で反応が進行することから、フルオロアルキル基を不斉炭素に持つ化合物を構築する上で大変重要な反応であることがわかった。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tsutomu Konno: "The fluorine-containing p-allylmetal complex. The transition metal-catalyzed allylic substitution reaction of fluorinated allyl mesylates with various carbon nucleophiles"Organic & Biomolecular Chemistry. 2. 93-98 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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