研究課題/領域番号 |
14750680
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西村 貴洋 京都大学, 工学研究科, 助手 (50335197)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | パラジウム / 光学活性配位子 / アリール化反応 / シクロブタノール / β炭素脱離 / 炭素-炭素結合開裂 / 速度論的光学分割 / ワンポット連続反応 / 光学活性ケトン / β炭素離脱 |
研究概要 |
パラジウムを触媒とする三級シクロブタノール類とハロゲン化アリールとの反応において、光学活性ホスフィン配位子を用いることで、エナンチオ選択的に炭素-炭素結合が開裂し、新たに炭素-炭素結合生成反応を経て光学活性なケトンが得られることを見出した。また、不斉アリール化反応と同様に、不斉ビニル化及び不斉アレニル化反応も効率よく進行する事を見出した。新たに開発したこの光学活性配位子は、フェロセン環上にジフェニルホスフィノ基及び不斉炭素を有するアミノエチル基を有しており、高い不斉収率で目的生成物を得るためには、アミン上に一つのメチル基ともう一つの置換基としてアダマンチル基のようなかさ高い置換基が必要である事が明らかとなった。さらに、炭素-炭素結合開裂を経るアリール化反応を用いた、ラセミ体の三級シクロブタノール類の速度論的光学分割においては、光学活性ケトンならびに光学活性アルコールを良好な不斉収率で得る事に成功した。これらは、エナンチオ選択的に炭素-炭素結合を開裂させるというこれまでに例のない興味深い反応である。一方、三級シクロブタノール類のアリール化反応において、アリール化剤として1,2-ジハロベンゼンを用いて反応を行うとγ-アリールケトンの生成後、続いて分子内で起こるケトンのアリール化反応によって対応するインダン誘導体がワンポットで合成できることが明らかとなった。この場合も、用いるシクロブタノールの種類によっては光学活性なインダン誘導体が得られることが明らかとなっており、これは炭素-炭素結合開裂を経る新しい反応として期待できる。
|