研究課題/領域番号 |
14750685
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 福岡大学 (2003) 九州大学 (2002) |
研究代表者 |
松原 公紀 福岡大学, 理学部, 助教授 (00294984)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2002年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | クラスター触媒 / ヒドロシリル化反応 / 多環芳香族 / 還元反応 / アミン合成反応 / 配位カチオン重合 / ポリビニルエーテル |
研究概要 |
本研究では、高い触媒活性を有する架橋π共役配位子を持つルテニウムクラスターを触媒とする不飽和有機分子の新規還元反応、重合反応の開発を目的としている。本年度は還元しにくいとされる還元反応での新現反応の開拓および特に重合反応においてその開発を目標として、その達成を図った。 ヒドロシランによる還元反応では、これまで含窒素不飽和炭化水素化合物の還元反応を展開し、イミン類の還元反応による効率的なシリルアミン合成に成功している。本年度は同じクラスター触媒を用いた還元反応システムを用いてニトリルからのシリルアミン合成、ハロアルカンからのハロゲン除去反応に成功した。いずれも今後より活性の高いプロセスの開発が必要であるが、これまでの含酸素化合物の反応とは異なるシランの種類や溶媒の改善など、反応機構につながる知見を得ることができた。 重合反応の開発では、本触媒システムを用いるアルキルビニルエーテルの重合反応について、種々の条件検討を行った。特徴的な成果として、第一に重合の活性化剤として様々な置換基を持つヒドロシランを用いて重合を行うことができた。シリルカチオンがルイス酸として働きにくいアルコキシ基や、ポリシロキサン、その他ビニル基、クロロ基を持つ場合にも速やかに重合反応が進行し、対応するポリビニルエーテルを高い収率で得ることに成功した。ポリマーの分析の結果、末端にシラン由来のシリル基が、逆末端に水素が導入されていた。従って本反応は副反応がなく、ヒドロシランにより効率的に連鎖移動反応を起こす重合である。第2に、ポリマーのタクティシティについても調査した結果、クロロシランを用いた場合のみタクティシティが制御される興味深い結果を得、今後の研究の課題である。上記の内容は、現在投稿準備中である。また、以上の成果は配位カチオン重合を用いた反応としてこれまでほとんど例がなく、工業的にも今後発展する可能性のあるプロセスとして重要である。
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