研究課題/領域番号 |
14750690
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
竹内 大介 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (90311662)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 前期遷移金属錯体 / 後記遷移金属錯体 / 複核金属錯体 / ジルコニウム / コバルト / オレフィンメタセシス / プロピレン / 重合 / 後期遷移金属錯体 / 復核金属錯体 / ロジウム |
研究概要 |
従来、オレフィンの重合においては、前期遷移金属錯体が触媒として用いられてきた。最近、ある種の後期遷移金属錯体も重合活性を示すことが見出された。しかも、その場合にはエステル基やヒドロキシル基などの官能基をもつモノマーとの共重合も可能であるということが明らかとなっている。しかし、これまでに用いられてきた触媒は、ほとんどが単一の遷移金属錯体をベースにしたものであった。 本研究では、性質の大きく異なる前期遷移金属と後期遷移金属を組み合わせた複核錯体を合成し、これを高分子合成の触媒へと応用した。 ジルコニウム-ロジウム複核錯体がエチレンの重合を引き起こすことを見出した。しかし、その活性はジルコニウム単核錯体を用いた場合に比べて低かった。ジルコニウム-コバルト複核錯体も、エチレンの重合に対しては単核錯体に比べて低い活性を示した。一方、プロピレンの重合に対しては、単核錯体よりも高い活性を示すことが分かった。この場合、ジルコニウム側が活性中心であり、コバルトからジルコニウムへの電子供与によりその活性が向上したものと考えられる。本研究ではまた、ジルコニウム-パラジウム複核錯体を設計・合成した。上記のロジウム・コバルト錯体の場合には、X線結晶構造解析においてジルコニウムと後期遷移金属との間に相互作用は存在しない。一方、ジルコニウム-パラジウム複核錯体では両金属間に金属金属結合が存在することが示唆された。 本研究ではさらに、オレフィンメタセシス反応を利用した、簡便な複核錯体合成法を見出した。この方法を用い、様々なジルコニウム複核錯体や、ジルコニウム-鉄複核錯体の合成に成功した。今後、この様々な複核錯体を用いた重合反応について、その詳細を検討予定である。
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