研究課題/領域番号 |
14750694
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
高分子合成
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森田 智行 京都大学, 工学研究科, 助手 (20335194)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ヘリックスペプチド / ダイポールモーメント / ナフチル基 / トリプトファン / 電子移動 / エネルギー移動 / 光電流発生 / ポリエチレングリコール / ダイポールモーメントル / 二分子膜 / 光電子移動 |
研究概要 |
本研究では、側鎖に発色基を有するヘリックスペプチドを脂質二分子膜に導入し、発色基による光増感作用と、ヘリックスプチドの優れた電子伝達能、あるいはダイポールモーメントによる電子移動加速効果を利用して、方向性をもった膜透過型電子移動が効率よく起こる分子システムの構築を目的としている。今研究期間においては、3残基ごとにトリプトファンあるいはナフチルアラニンを有し、末端にはジスルフィドを有する3_<10>-ヘリックスペプチド9量体を用いて、金基板上に自己組織化膜(self-assembled monolayer:SAM)を調製し、一直線上に配列した3つの発色基(インドール基あるいはナフチル基)が、ペプチド膜を介した電子移動反応にどのような影響を与えるかについて詳細に検討した。各ヘリックスペプチドは液相法により合成を行った。また、参照化合物として発色基を1つだけ有するヘリックスペプチドも合成した。得られたヘリックスペプチドは溶液中で3_<10>-ヘリックス構造をとることが円二色性スペクトル測定からわかった。ジスルフィド基と金との結合により、これらのペプチドを金基板上に固定化しSAMを調製した。赤外反射吸収スペクトル測定とサイクリックボルタンメトリーより、ヘリックスペプチド分子は基板に対して垂直に近い配向をとり稠密な膜を形成していることがわかった。また、電子ドナーであるトリエタノールアミン水溶液中で、SAMを光照射した結果、トリエタノールアミンから金表面への電子移動に起因する光アノード電流が効率よく発生した。これらの膜では、発色基を1つしかもたない参照ペプチドのSAMに比べ、7倍程度の光電流が発生したことから、一直線上に配列した発色基は光増感基としてだけでなく、電子移動あるいは励起エネルギー移動のホッピングサイトとして機能し、ペプチド膜を介した光電子移動反応を顕著に加速することが明らかとなった。
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