研究概要 |
当研究室では一貫して機能性高分子微粒子の合成とその応用に関する研究に取り組んでいるが,そのほとんどがビニルモノマーを対象とし,乳化重合,分散重合,懸濁重合を駆使して行ってきた。さらに,非ビニルモノマーに着目し,すでにサブミクロンサイズのポリスチレン微粒子の水分散系で非ビニルモノマーであるグルタルアルデヒドのアルドール縮合重合を行い,粒子表面にアルデヒド基を有する高分子微粒子の新合成法を確立し,国内外で高い評価を受けている。本研究の目的はアニリンなどの非ビニルモノマー水媒体化学酸化重合法により新しい機能性高分子微粒子合成法を確立することである。さらに,エポキシ基,イソシアネート基などを有する非ビニルモノマーの重付加反応による機能性微粒子の合成も取り上げ,非ビニルモノマーの水媒体における機能性高分子微粒子の創製を目指す。 本年度は,非ビニルモノマーとしてエポキシ樹脂とアミンによる重付加反応を利用した機能性微粒子の合成を検討した。具体的には,当研究室で先に提起している相分離を利用した中空化技術をエポキシ樹脂とアミンに適用し,エポキシ樹脂による非ビニル中空粒子の合成に成功した。これらの結果は,水媒体系における非ビニルモノマーによる機能性高分子微粒子の合成法に関して重要な結果であり,現在論文作成中である。さらに,昨年度の検討課題である化学酸化シード分散重合から作製された導電性を有するミクロンサイズの単分散な中空粒子の合成法に関しても,まもなく投稿予定である。
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