研究課題/領域番号 |
14760057
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
阪本 龍司 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 講師 (10275282)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | Penicillium chrysogenum / フェルラ酸 / フェルラ酸エステラーゼ / アラビナナーゼ / アラビノシダーゼ / ガラクタナーゼ |
研究概要 |
これまでの研究成果よりPenicillium chrysogenum 31Bの生産するフェルラ酸エステラーゼ(FAE-I)の性質を決定し、本酵素は既報の酵素とは異なる基質特異性を示すことを明らかにしているが、本菌はさらに別のフェルラ酸エステラーゼ(FAE-II)も分泌生産していることを見出した。FAE-IIの精製は本菌培養上澄を出発原料として、硫安分画、陽イオン交換、陰イオン交換、ハイドロキシアパタイト、ゲルろ過カラムクロマトグラフィーにより行った。本酵素の性質はFAE-Iと極めて類似していた。すなわち、反応最適(pH6.7)、最適温度(50℃)、pH安定性(4-7)、温度安定性(40℃まで)、。金属阻害剤(Ag+、Cu2+)、および合成基質に対する特異性(メチルフェルラ酸、メチルp-クマリン酸、メチルバニリン酸に作用)はすべて類似していた。しかし、天然基質であるシュガービートペクチン(SBP)からのウェルラ酸遊離能はFAE-IIが優れていた。SBP中ではフェルラ酸はアラビノースとガラクトース残基にエステル結合していることから、次にSBPからのフェルラ酸遊離における両酵素とエンド型アラビナナーゼ(ABN)、アラピノシダーゼ(AF)、エンド型ガラクタナーゼ(GAL)との相乗効果を検討した。その結果、ABNを作用させると遊離活性は両酵素共に無添加時と比較して約3倍に上昇した。さらにABNとAFを同時に作用させた場合には5倍に増加した。このことから、2種のフェルラ酸エステラーゼはともにオリゴマー化された糖鎖に結合したフェルラ酸により高い活性を示すことが明らかとなった。一方、GALとの相乗効果は認められなかった。 本菌におけるFAE生産は培地中へのグルコースの添加により抑制され、シュガービートパルプにより促進された。また、本菌のFAE-I/-IIの生産比は約20であった。
|