研究課題/領域番号 |
14760122
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
山口 敦子 長崎大学, 水産学部, 助教授 (10310658)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | ナルトビエイ / 移動 / 回遊 / 繁殖 / 食性 / 板鰓類 / 有明海 / 交尾期 / 生態 / 成長 |
研究概要 |
今年度も、有明海での定期的なナルトビエイの採集と計側および標識放流等を行い、移動・回遊経路の解明に重点をおいて生態解明に努めた。また、一方で、ナルトビエイの食性と二枚貝類への食害影響調査も行い、佐賀県の造成漁場て見られた春と秋のタイラギ生息密度の急激な低下はナルトビエイの食害によるものであり、造成漁場ては約32トン、ダイナン漁場では約233トンのタイラギ貝柱がナルトビエイの食害により消失したと見積もった。このことから、食害問題はタイラギ資源回復のためには「立ち枯れ斃死」と併せて解決すべき重要な問題であることが明らかとなった。 ナルトビエイの捕食に関連した行動生態、冬季の越冬場所と回遊経路の解明を目的として、ピンガーとアルゴスシステムを利用した行動追跡調査を行った。タグの装着場所と遊泳に及ぼす影響等を調査した後、ピンガーによる行動追跡調査を行ったところ、これまでの漁獲による調査結果を裏付けるように、干潮時には湾奥部の沖でほとんと停止した状態であったが、上げ潮時には浅瀬に向かって移動を開始することがわかった。また、通常は底層を遊泳するが、大きな移動の直前には必ず一度表層に浮上して定位した後、その後再び潜行することがわかった。冬季の移動先は未だ解明されていない。また、今年度は合計128個体にビニールチューブ式タグを装着して放流したところ、1個体の再捕が能本から報告された。地域別の全漁獲数については、現在調査中であるため、データが揃えば資源量の見積もりを行う予定である。今年度の成果は平成16年度の日本水産学会、日本魚類学会、長崎生物学会やシンポシウムなどで口頭により発表した。さらに2題の口頭発表を予定している。また、成果の一部は現在、国際誌であるEnvironmental Biol. Fishに投稿中であり、さらに1報は国際誌に投稿するための準備中である。
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