研究課題/領域番号 |
14760123
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
田原 大輔 福井県立大学, 生物資源学部, 助手 (20295538)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | クルマエビ / オゴノリ / プロスタグランジン / 卵巣成熟 / ビテロジェニン / LC / MS / LG / アラキドン酸 / スジエビ |
研究概要 |
1)雌エビの産卵前後の体液プロスタグランジン(PG)およびビテロジェニン(VTG)の変動 人工催熟技術を確立するための基礎的知見を得るために、雌エビの産卵に伴う体液PGおよびVTG濃度の測定を行った。体液PGおよびVTG濃度は、前年度までに確立した液体クロマトグラフィー・質量分析計(LC/MS/MS)測定法および酵素免疫測定法を用いて行った。 体液VTG濃度は産卵直前よりも産卵後に高かった。また、産卵直後の個体の卵巣を組織学的に観察した結果、産卵10時間後に既に卵黄形成が開始されていることが明らかとなった。一方、体液PG濃度は産卵直前より産卵後に有意に低下した。これは排卵および産卵を含む最終成熟期にPGが関与していることが示唆された。本研究によりクルマエビ類の産卵メカニズムに新たな知見が得られたことから、今後、催熟技術の開発に大いに役立つものと期待される。 2)オゴノリ抽出物添加による卵巣成熟促進効果試験 近年、クルマエビにウィルス病が蔓延していることから、他県から購入したエビを用いて実験を行う際には病原体を拡散させないよう海水循環飼育で行わなければならない。そのため、ろ過装置を付した200l水槽を用いて海水循環による飼育試験を非繁殖期である10〜12月に沖縄県の養殖業者から購入した養殖エビを用い実験を行った。試験区として、オゴノリ脂質抽出物添加区、ゴカイ給餌区および対照区を設定し、給餌は体重の2%を夕方に1日1回与えた。なお、ゴカイを給餌することでクルマエビ類の卵巣発達が促進されることがよく知られている。 約1ヶ月間の餌育において、いずれの試験区においても成長に差はみられなかった。また卵巣の成熟度を組織学的に観察した結果、いずれの試験区においても卵巣の発達はみられず、一部の個体では卵巣の変性が認められた。また、いずれの個体においても体液VTGは検出できなかった。一般にゴカイを給餌することで雌エビの卵巣発達を誘導できるが、本実験ではこのような効果を再現できなかった。この理由として、循環飼育により飼育水の水質が悪化したことが成熟を抑制したものと考えられる。今後は、流水飼育により水質を適正に保ち、水槽に底砂を敷いた環境ストレスの無い飼育条件で再度実験を行う必要がある。
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