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進化論比較制度分析による持続的な地域共有資源管理制度のあり方に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14760138
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 農業経済学
研究機関帯広畜産大学

研究代表者

耕野 拓一  国立大学法人帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (20281876)

研究期間 (年度) 2002 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2004年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード入会 / 資源管理 / スリランカ / 貧困 / 水利慣行 / 森林管理 / 入会集団 / 相互扶助 / 地域共有資源 / 共同体 / 進化 / ゲーム理論
研究概要

日本の入会制度について,山形県上山市での調査,および既存の研究報告・統計(農業センサス)などで、入会制度の歴史的・技術的・社会的・経済的環境の観点から,この制度が成立してきた要因の明らかにした.日本の場合,入会林を管理する入会制度は木材生産に利用目的が限定されている.しかし,近年,森林ボランティアなど,広く参加者を慕って資金や労働力を調達する事例が見られるようになってきている.持続的資源管理のため,住民参加のみならず,市民参加も次第に重要性を増加させてきている.また,山形県上山市の入会集団を対象にした聞き取り調査から,入会集団が小さいほど,集会が頻繁に開催され,下草刈りなども共同で行われるなど,資源管理が適切におこなわれる可能性が示唆された.
スリランカの灌漑制度に関しては,小規模灌漑地域で行われるベトマと呼ばれる水利慣行について,40年前は9割を超える農村がこの慣行を行っていたが,2000年には5割以下の農村しか行っていなかった.農村の人口増加とともに,地下水灌漑の急速な普及が水利慣行の必要性を低下させている.しかし,この慣行が行われるのは乾季のみで,雨季にはそれまで通りの溜池灌漑が行われている.第2に,大規模灌漑地域においても,乾季にベトマの仕組みが取り入れられていた.大規模灌漑地域においても地下水灌漑が普及しつつあるが,ここでも、ベトマの水利慣行と政府主導による灌漑制度の両方が存在している.地下水灌漑の利用に制限を設けている村も存在するなど,新たな仕組みが生まれつつあった.
スリランカの水利慣行と日本の入会制度の分析から,アカロフが指摘するように,古い社会慣習の消滅と,新しい慣習の出現(森林ボランティアなど)という,複数均衡の存在が示唆された.途上国農村の貧困問題解決への誘導手法として,資源管理制度の整備による所有関係の明確化が,途上国農村で早急に必要である.

報告書

(3件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2005 2003 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 文献書誌 (4件)

  • [雑誌論文] Indigenous Institutions for Irrigation Water Management and Sustainable Agriculture : A Case Study in Sri Lanka2005

    • 著者名/発表者名
      Hiroichi KONO, H.M. Somarathna
    • 雑誌名

      Journal of Agricultural Development Studies 15(3)(印刷中)

    • NAID

      10014001428

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 地域共有資源を管理する伝統的慣行の変容と共同体の役割-スリランカの溜池灌漑の事例-2003

    • 著者名/発表者名
      耕野拓一
    • 雑誌名

      2003年度日本農業経済学会論文集

      ページ: 462-464

    • NAID

      10016228015

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] A Case study on farmers' investment on Agro-well Irrigation : Analysis of Internal Rate of Return2003

    • 著者名/発表者名
      H.M.Somarathna, Hiroichi KONO
    • 雑誌名

      Sri Lanka Journal of Agricultural Sciences 40

      ページ: 23-31

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 耕野拓一: "地域共有資源を管理する伝統的慣行の変容と共同体の役割-スリランカの溜他灌漑の事例-"2003年度日本農業経済学会論文集. 462-464 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 耕野拓一: "地域共有資源を管理する伝統的慣行の変容と共同体の役割-スリランカの溜池灌漑の事例-"日本農業経済学会 鹿児島大会(2003年4月). (報告予定).

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 耕野拓一: "地域共有資源管理システムの比較制度分析"平成13年度三島海雲記念財団研究報告書. 第39号. 82-85 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Hiroichi KONO, HM.Somarathna: "Theoretical Analysis of Transformation of Bethma Custom in Sri Lankan Traditional Village"帯広畜産大学学術研究報告 人文・社会科学. 第11巻第2号(印刷中). (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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