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犬における遺伝性グルタミン酸輸送体欠損症の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 14760200
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 応用獣医学
研究機関鳥取大学

研究代表者

佐藤 耕太  鳥取大, 農学部, 講師 (50283974)

研究期間 (年度) 2002 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2003年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワードグルタミン酸 / 輸送体 / 赤血球 / 赤芽球 / 発現 / 遺伝性疾患
研究概要

グルタミン酸輸送体は哺乳動物の中枢神経系に多く発現する膜蛋白質であり,細胞外グルタミン酸レベルを低値に保つことにより神経細胞を保護する役割を果たしている.一方,本輸送体は犬赤血球にも発現し,細胞を酸化的ストレスより保護するGSHの産生に必要なグルタミン酸を取り込むためにはたらいている.現在までに申請者らは,犬赤血球に発現するグルタミン酸輸送体がグリア細胞に多く発現するGLAST型であること,犬において全身諸臓器に広く発現することを明らかにする一方で,日本犬の一部において遺伝性赤血球GLAST欠損症を見出した.この欠損の原因遺伝子については,点突然変異によるアミノ酸置換および転写活性の低下の組合せにより生ずることを明らかにしたが,その分子機構については不明な点があった.
前年までの研究では,人由来赤芽球細胞株を用いた強制発現系において犬GLAST蛋白質および機能を検討したが,変異GLASTは野性型GLASTとほぼ同様の挙動を示した.そこで生体で見られる現象が再現されていない可能性があったため,本年は犬末梢血由来多能性幹細胞の赤芽球への分化誘導系の確立を試みた.犬末梢血由来単核球分画をPHA刺激コンディション培地により前赤芽球に分化誘導したのち,エリスロポエチン存在下で5%CO2,5%O2で培養し,最終的に正染性赤芽球が大半を占める系を確立した.
次に,GLAST欠損犬および正常犬由来の末梢血単核球を材料に同様の分化誘導を行い,GLAST発現の比較検討を行った.正常犬およびGLAST欠損犬両者においてGLAST蛋白質は,コンディション培地において前赤芽球への分化を終えた時点でGLAST蛋白質の発現が見られた.通常の66kDaの分子に加え,50kDa程度の未成熟と考えられる分子が検出された.赤芽球〜赤血球への分化誘導の過程で,未成熟GLASTの消失に伴い成熟型GLASTの発現の増加が認められ,この時期に犬赤血球GLASTの発現が誘導されることが明らかになった.しかしながら,正常およびGLAST欠損犬の間に差異は認められず,正染性赤芽球までの時期に発現量の差異は無いものと考えられた.一方,生体より採取した網状赤血球の時点では,欠損犬においてGLAST欠損が観察されることから,正染性赤芽球から脱核,網状赤血球に至る短い時期にGLASTの分解消失がおきている可能性が示唆された.

報告書

(1件)
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sato, K et al.: "Secondary erythrocytosis associated with high plasma erythropoietin concentrations in a dog with cecal leiomyosarcorma"J. Am. Vet. Med. Assoc.. 220. 486-490 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Tamahara, S. et al.: "Non-essential roles of cysteine residues in functional expression and redox regulatory pathways for canine glutamate/aspartate transporter based on mutagenic analysis"Biochem J.. 367. 107-111 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

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