研究課題/領域番号 |
14760201
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
谷 浩行 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 助手 (00305658)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 犬 / 甲状腺機能低下症 / 抗サイログロブリン自己抗体 / 自己反応性T細胞 |
研究概要 |
犬の甲状腺機能低下症は甲状腺機能の低下により血中の甲状腺ホルモン量の不足が生じ、非掻痒性両側対称性脱毛、色素沈着、運動不耐、重度の場合は意識の混濁、重度の貧血などを引き起こす。本症の病因として甲状腺の濾胞内コロイド成分であるサイログロブリン(Tg)に対する自己抗体(TgAA)および自己反応性T細胞の存在が重要視されており、それらはリンパ球性甲状腺炎を惹起して甲状腺の組織破壊を引き起こすと考えられている。本研究では本症の発症機序の解明を試みるとともに、その発症前診断法ついて検討した。a)正常犬甲状腺組織から抽出したmRNAからオリゴキャップ法を用いて犬Tgの完全長cDNAを作製し、塩基配列の解析を行なった。全長塩基配列は8,466bpであり、犬Tgアミノ酸をコードする塩基配列は人、牛、およびラットの同一領域と比較してそれぞれ83%、83%および71%の高い相同性を示した。また、これらの動物種と比較して18塩基対が欠失していた。予想されるアミノ酸配列は2,750アミノ酸残基であり人および牛と79%、ラットと71%と高い相同性を示した。また、これら動物種と比較して6アミノ酸残基が欠失していた。予想される犬Tgアミノ酸のC末端領域に相当する2,411bpのフラグメントを発現ベクターに挿入し、大腸菌を用いてリコンビナントタンパク質の発現を試みたところ、分子量約115kDaのGST融合リコンビナントタンパク質の発現が確認された。しかし、その発現量は非常に少なく、抽出、精製までには至らなかった。 今後は、犬TgcDNAの他の領域も含め、発現条件の最適化を行い、リコンビナントタンパク質を作成、精製するとともに、それらを用いて、大阪府立大学附属家畜病院および外部協力病院に来院した甲状腺機能低下症の患犬から、採取、保存した血液サンプルの抗Tg抗体および自己反応性T細胞の抗原エピトープについて検討を行い、得られた知見を応用してより高感度、高精度な犬甲状腺機能低下症の発症前診断法の開発を目指したい。
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