研究課題/領域番号 |
14770038
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
小林 恒雄 星薬科大学, 医薬品化学研究所・機能形態研究室, 助手 (90339523)
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研究分担者 |
鎌田 勝雄 星薬科大学, 教授 (40121496)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 糖尿病 / 血管内皮細胞 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
1).ストレプトゾトシン誘発糖尿病ラット大動脈を用いて、cDNA subtractive hybridization法及びRT-PCR法により、糖尿病群の内皮細胞において増加している遺伝子、30群;減少している遺伝子、13群得られた。インスリンを慢性投与した群では、20群において発現が正常に戻る事が示された。これらの遺伝子群は、血糖値の改善及び、インスリン値の増加によって改善し、血管反応の弛緩の回復に何らかの影響をあたえていることが考えられる。しかし、23群においては改善効果が見られない。この23群のうち、正常動物へのインスリン処置によって変化した遺伝子は13群見られたことより、高濃度の血中インスリン値が直接影響を与えることが示唆された。以上の事は、糖尿病時の血管における遺伝子発現は様々な因子(血糖値や血中インスリン値)によって複雑に影響し合っている事を示唆する。しかし、これら糖尿病時において変化する遺伝子は、ほとんどが血管に対する作用が解っていない、今後、個々の遺伝子について、血管への機能や作用が解れば、糖尿病時に、血糖値を厳密にコントロールすべきか、血中のインスリンをコントロールすべきかの決定に置いて、治療方針や予防方法に多大なる影響を示すと期待している。 2).糖尿病時における血管においては、IGF-1受容体の増加、IGFBP-4の遺伝子発現低下が観察された。この様な状態において、インスリンを慢性投与すると、インスリンの作用が増加し、血管収縮、血圧の増加を生じることを示した。 3).糖尿病時における血管においては、PPARαの発現低下が観察され、これは、PPAR作動薬であるベザフィブラート処置により、血管機能、血中のインドセリン値の正常化を生じた。 4).糖尿病時における血管においては、phosphodiesterase 3の発現が増加し、この酵素の抑制薬が、内皮細胞の機能の一つであるEDHF作用の減弱を改善する事を明らかにした。
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