研究課題/領域番号 |
14770044
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
内田 千晴 浜松医科大学, 医学部, 助手 (60223567)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ユビキチン / プロテアソーム / 癌抑制遺伝子産物 / 細胞周期 / RBタンパク質 / 癌 |
研究概要 |
[研究目的] 重要な癌抑制遺伝子産物のひとつであるRB蛋白質の活性は、主にリン酸化修飾によって制御を受ける。しかしこれまではRB蛋白質の量的制御機構についてはほとんど明らかではなかった。本研究では、RBタンパク質のリン酸化による活性制御および、細胞内での分解機構を明らかにし、細胞悪性化への関わりを解明することを目指した。 [方法と結果] 我々はRBタンパク質に結合するタンパク質に注目し、そのなかでRBタンパク質をユビキナチン化する活性を持つものをin-vivoのユビキチン化アッセイで検索した。その結果p53のユビキチンリガーゼであるMdm2がRBタンパク質に結合し、ユビキチン化することを見出した。興味深いことにMdm2は、RBファミリーの中でRBタンパク質だけを特異的にユビキチン化し、p107やp130とは結合するがユビキチン化しないことが判明した。また、ARFはMdm2の活性を阻害し、RBタンパク質のユチビキチン化を抑制した。細胞にMdm2を過剰発現するとRBタンパク質の分解速度が亢進した。プロテアソーム阻害剤やドミナントネガティブMdm2あるいはMdm2のsiRNAによってRBタンパク質の分解が阻害された。また、RBタンパク質はMdm2ノックアウトMEFで蓄積し、ARFノックアウトMEFで発現低下(分解亢進)していた。SaO2細胞を用いたRB経路の機能アッセイにより、Mdm2によりRB経路が抑制されることが判明した。また、RBタンパク質をユビキチン化できない変異型Mdm2はソフトアガーコロニー形成能が低下していた。さらにヒトのMdm2が高発現している癌検体においては、RBの発現量が有意に低いとが分かった。以上の結果から、Mdm2によるRBの分解亢進は細胞癌化に寄与していることが判明した。
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