研究課題/領域番号 |
14770045
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
片貝 智哉 京都大学, 遺伝子実験施設, 助手 (00324682)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2003年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | Th1細胞 / 血管内皮透過 / CD44 / PKCζ / 細胞極性 |
研究概要 |
種々の慢性炎症に重要な役割を果たすTh1細胞の組織遊走過程、血管内皮透過過程を詳細に解析するために、試験管内において均一な抗原特異性を有するマウス由来のTh1細胞株を樹立し、マウス血管内皮細胞株F-2を用いた再現性のある経内皮透過実験系を確立した。この実験系を用いた解析により、Th1細胞にはケモカインに依存した経内皮透過能と依存しない経内皮透過能があり、両活性がTh1細胞優位な組織浸潤の悪循環を引き起している可能性を示した。また、Th1細胞細胞が発現するLFA-1やCD44といった接着分子を介した血管内皮細胞への接着が重要であり、特に細胞表面のCD44分子架橋刺激がTh1細胞形態を大きく変化させ、細胞遊走を誘導していることが明らかになった。Th1細胞に対する種々の薬剤処理により、この過程にはPI3K、PLC、SrcPTK等のシグナル伝達分子が関与し、アクチン細胞骨格の再編を引き起すことが示唆された。さらに、CD44分子架橋刺激は、特に細胞極性が際立った特有の細胞伸長変化をもたらし、実際の血管内皮透過におけるTh1細胞の遊走にも細胞極性の形成が極めて重要な過程であることがはっきりした。したがって、ケモカイン非依存的かつ接着依存的なシグナルがTh1細胞の経内皮透過過程に重要な役割を担っていることが示唆された。一方で、実験的に扱い易いリンフォーマ細胞株に対して安定遺伝子導入を行い、シグナル伝達経路に関係する分子の様々な変異体について、細胞遊走や形態変化への影響をを観察する系を確立するした。
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