研究課題/領域番号 |
14770048
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小林 拓也 京都大学, 医学研究科, 助手 (20311730)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | トロンボキサン / プロスタサイクリン / 動脈硬化 / 血管内皮細胞 / ノックアウトマウス / プロスタノイド / アポ蛋白E |
研究概要 |
動脈硬化性疾患の患者は、血清中のトロンボキサン(TXA)とプロスタサイクリン(PGI)が高いことから、TXAやPGIが動脈硬化の発症・進展に深く関与することが示唆されてきた。これまでにアスピリンを始めとする非ステロイド性抗炎症薬や選択的なCOX阻害剤を用いることによって、TXAやPGIを含むプロスタノイドの生合成を抑え、その役割を解明しようとする試みがなされてきた。しかし、薬物の選択性や効力の違いや複数のプロスタノイドの生合成を抑えてしまうことにより、各々のプロスタノイドの動脈硬化の発症・進展における役割を明らかにすることはできなかった。そこで、PGI受容体(IP)欠損(IP^<-/->)マウスと動脈硬化モデルマウス(apoE^<-/->)マウス、TXA受容体(TP)欠損(TP^<-/->)マウスとapoE^<-/->マウスの掛け合わせを行いダブルノックアウトマウスを作出した。TXAは活性化した血小板より産生され、血管平滑筋の収縮や血小板凝集に関与する。PGIは血管内皮細胞より分泌され、血管平滑筋の弛緩や血小板機能の抑制に関与することが知られている。普通食で20週間飼育した結果、動脈弁および大動脈弓における脂質の沈着量は,apoE/TP欠損マウスで有意に低く、apoE/IP欠損マウスで有意に高いことが明らかとなった。次に、大動脈のプラークについてさらに詳しく解析したところ、apoE/IP欠損マウスはfibrous capの量が低く、プラークの肩において頻繁に内皮の脱落が認められた。これらの結果は、apoE/IP欠損マウスのプラークは、apoE欠損マウスやapoE/TP欠損マウスに比べ安定性が低く破綻しやすいことを意味する。また、apoE/IP欠損マウスのプラークを覆う内皮細胞は、apoE欠損マウスに比べICAM-1の発現が高く、apoE/TP欠損マウスのプラークでは低いことが明らかとなった。
|