研究課題/領域番号 |
14770062
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清水 一也 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50335353)
|
研究期間 (年度) |
2002 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | ネクチン / アファディン / 細胞分化 / カドヘリン / 細胞間接着 / Rac / Cdc42 / シナプス形成 / 細胞極性形成 / c-Jun N-terminal kinase / 受精卵 |
研究概要 |
細胞が極性をもって分化する機構として、ある一つの細胞が、隣接する細胞とのコミュニケーション(細胞間接着)を確立することと、形態形成因子の濃度勾配へ応答することが知られている。この両者の組み合わせによって細胞の分化は制御され、様々な組織・器官が形成されると考えられているが、これらの分子機構は明らかでない。本研究では、細胞分化制御機構の分子機構の解明を目的として、細胞間接着機構ネクチン-アファディン系による細胞分化の制御機構の解析を行ない、本年度は以下の点を明らかにした。 ネクチンのトランス結合がRhoファミリーの低分子量G蛋白質であるCdc42とRacの両者を活性化すること、さらにネクチンによるCdc42の活性化が細胞間接着形成に必須であることを明らかにした。また、トランス結合していないネクチンが細胞間接着分子カドヘリンによるRacの活性化と細胞間接着の形成を阻害すること、さらにこのネクチンによる阻害効果が、ネクチシのトランス結合によって活性化されるCdc42により解除されることを明らかにした。これらの結果から、細胞が隣接する細胞と細胞間接着を確立するには、まずネクチン同士の結合が必要であり、ネクチンのトランス結合により活性化されたCdc42によりカドヘリンを介した細胞間接着が起こると考えられた。これらと平行して、ネクチンによる外胚葉分化機構の解析のためにネクチン-1と-3のノックアウトマウスを作製した。その結果、ネクチン-1と-3が海馬CA3領域のシナプス形成に必須であることを明らかにした(投稿準備中)。 これまでの結果から、ネクチン-アファディン系が上皮系と神経系の細胞分化を制御していることが示された。
|