研究課題/領域番号 |
14770102
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 文 札幌医科大学, 医学部, 助手 (60343381)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | Dlxin-1 / ノックアウトマウス / MAGE / 組織学 / 神経系 / Necdin / 病理組織 |
研究概要 |
Dlxin-1ノックアウトマウスの雄を作製し、全身解剖、血液生化学検査にて異常所見のスクリーニングを行ったところ、組織学的に明らかな形態形成の異常は認められないが、ノックアウトマウスには正常コントロールマウスと比較して体重が多く、軽度の耐糖能異常が認められた。また高脂肪食負荷によりノックアウトマウスはより高度の体重増加を示した。Dlxin-1は脳および脂肪細胞で高い発現がみられ、これらの代謝異常は中枢性および末梢性の双方の機序が考えられる。 遺伝的背景を均質化するためにC57BL/6JおよびBalb/cJへの戻し交配をそれぞれ9回行い、Dlxin-1ノックアウトマウスを近交系化した。その結果、Balb/cJ系統のノックアウトマウス雄には同様の所見が認められたが、C57BL/6J系統のノックアウトマウス雄には体重の差が明らかではなく、上記の形質には遺伝的背景が影響すると考えられた。またDlxin-1ノックアウトマウスの雄とヘテロマウスの雌を交配し、ノックアウトの雌を得たところ、雌は外観上明らかな異常所見は認められないが8週頃より自発運動の低下、異常反射などの神経学的異常が認められた。これらの変化はBalb/cJ系統でより強くみられた。Dlxin-1が脳・神経系に高い発現を示すこと、p75NTRやUNC5Hなど神経細胞の増殖・アポトーシスや軸索の伸長に重要な機能を果たす分子との相互作用が報告されていることから、Dlxin-1ノックアウトマウスは特異的なニューロンの成長障害をもつことが示唆される。 Dlxin-1のノックアウトマウスの雄と野生型の雄の脳よりRNAを抽出し、DNAマイクロアレイ解析を行った。その結果いくつかの興味深い分子の発現レベルの変化が検出された。このうちNF-Mに着目してその発現を検討したところ、蛋白レベルではむしろノックアウトマウスで発現が上昇していた。最近老化ラットの末梢神経でNF-Mの蛋白量が増えていることが報告されており、Dlxin-1ノックアウトマウスにおいて神経系の老化に類似した所見も認められる可能性が示唆された。
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