研究課題/領域番号 |
14770110
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学(含医用動物学)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
濱野 真二郎 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70294915)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | サイトカイン受容体 / WSX-1 / 炎症性サイトカイン / 細胞内寄生性病原体 / Trypanosoma cruzi / IFN-g / 細胞内寄生原虫 / Th1&Th2 |
研究概要 |
WSX-1はIL-12受容体にホモロジーがあるクラスIサイトカイン受容体であり、Leishmania major感染抵抗性に不可欠な分子である。本研究において、我々はWSX-1がTrypanosma cruzi感染抵抗性にも不可欠な役割を果たすことを明らかにした。T.cruzi感染において、WSX-1欠損マウスは野生型マウスに比べて遷延する原虫血症、重度の肝傷害、高い死亡率を示した。WSX-1欠損脾細胞ではTh2サイトカインの産生が増強していた。IL-4に対する中和抗体を投与しTh2分化を阻害したところ遷延する原虫血症は改善したため、WSX-1欠損マウスにおけるTh2反応の増強が原虫血症の遷延に関係することが判明した。さらに、IL-12p40やIFN-γ欠損マウスを用いた実験から肝傷害の病態形成にIFN-γが関与することが示唆された。IFN-γの中和実験を通して、WSX-1欠損マウスにおける激しい壊死性病変には同マウスにおいて過剰に産生されるIFN-γが深く関与していることが明らかになった。また欠損マウス肝内単核球からIL-6やTNF-αをはじめとした多彩な炎症性サイトカインが大量に産生されることが判明した。そのように、Trypanosoma cruzi感染において、WSX-1は炎症性サイトカインの産生制御を通して肝傷害を抑制しており、一方でTh2反応の抑制を通して原虫血症をコントロールしており、サイトカインの過剰産生を抑制するというWSX-1分子の新機能が見出された。
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