• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)及びその近縁ウイルスの粒子内ゲノムの高次構造の解析

研究課題

研究課題/領域番号 14770130
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 ウイルス学
研究機関大阪大学

研究代表者

櫻木 淳一  大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (90273705)

研究期間 (年度) 2002 – 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
キーワードHIV / RNA / パッケージング / 二量体化 / 粒子形成 / ウイルス / 高次構造 / ウイルスゲノム / レトロウイルス / ヌクレオカプシド / ビリオン
研究概要

エイズの病原ウイルスHIV(ヒト免疫不全ウイルス)はレトロウイルス科に属し、長さ約9Kbの(+)側一本鎖RNAのウイルスゲノムが二量体化した形で粒子内にパッケージングされている。HIVのパッケージングを妨げることは効果的な抗ウイルス療法であると言えるし、ウイルスベクターとしての応用を考えたときも外来遺伝子の効率的な導入のためにパッケージング能は重要な役割を担う。また、ウイルス粒子の内部構造の解明は薬剤開発や感染防御を考える上での重要な手がかりとなる。
本研究で研究代表者は、HIV-1ゲノムRNA上のパッケージングシグナル/二量体化シグナル(E/DLS)領域をゲノムRNA上に複数配置することにより、HIV-1正常粒子中に単量体化したゲノムが生成することを見いだした。この現象を応用してウイルス粒子内でのゲノム二量体化をパッケージングと切り離して解析するシステムを構築することに成功した。このシステムを用いた解析の結果、パッケージングシグナルは二量体化シグナルよりもずっと広い範囲に存在していること、二量体化能に重要な領域はすべてパッケージングにも重要であること、そして一部の領域ではこの二つの機能が相関していることなどを明らかにすることができた。
このことはHIV-1のゲノムパッケージングというプロセスにおいて、E/DLS領域のRNAが二本結合して形づくる構造がパッケージングシグナルとして認識されるという段階が存在する可能性が考えられる。つまりHIV-1のゲノム二量体化は、複数のステップからなるゲノムパッケージングという機構のうちの必須な1ステップであるという可能性を強く示唆するものである。この仮説は長年の命題であった二量体化の理由に対する簡潔で合理的な説明となり得るものと考えられる。
また、細胞内でのウイルスゲノム複製のための最小ユニットである核酸蛋白複合体(RNP)に含まれるのウイルスあるいは細胞由来因子の解析についてであるが、RNPのウイルス粒子からの分離精製のための条件検討をすすめ、現在質鼻分析計による解析を行うためのサンプル調製を行うところまで到達している。

報告書

(2件)
  • 2003 実績報告書
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Jun-ichi Sakuragi, Shigeharu Ueda, Aikichi Iwamoto, Tatsuo Shioda.: "Possible role of dimerization in human immunodeficiency virus type 1 genome RNA packaging"JOURNAL OF VIROLOGY. Vol.77 No.7. 4060-4069 (2002)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Jun-ichi Sakuragi, Aikichi Iwamoto, Tatsuo Shioda.: "Dissociation of Genome Dimerization from Packaging Functions and Virior Maturation of Human Immunodeficiency Virus Type 1."JOURNAL OF VIROLOGY. Vol.76,No.3. 959-967 (2002)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Jun-ichi Sakuragi, Aikichi Iwamoto, Tatsuo Shioda: "Dissociation of Genome Dimerization from Packaging Functions and Virion Maturation of Human Immunodeficiency Virus Type 1"JOURNAL OF VIROLOGY. Vol.76,No.3.. 959-967 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Jun-ichi Sakuragi, Shigeharu Ueda, Aikichi Iwamoto, Tatsuo Shioda: "Possible Role of Dimerization in Human Immunodeficiency Virus Type 1 Genome RNA Packaging"OURNAL OF VIROLOGY. Vol.77,No.7.(in press). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

URL: 

公開日: 2002-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi