研究概要 |
2連続夜勤時にとる仮眠の夜間覚醒水準維持に効果的な仮眠配置と,仮眠取得による循環器機能への影響を調べるため実験室実験を行った。実験は2003年8月と9月に行った。被験者は健康で,深夜アルバイトを行っていない男子大学生8名(平均年齢±標準偏差,21.4±2.3)であった。実験は,プラントの監視労働を模擬して22時-8時の模擬夜勤を2日連続で行い,1日目と2日目の両日に2時-4時の間に仮眠をとる条件(以下,2日仮眠条件)と,1日目のみ2時-4時の仮眠をとる条件(以下,1日仮眠条件)の2条件を設定した。また,2日間の模擬夜勤の後にはそれぞれ12時-18時に昼間睡眠をとり,2日目の昼間睡眠の後には0時-8時に夜間睡眠をとった。さらに基準睡眠として0時-8時まで夜間睡眠をとった。各条件は3泊4日で行い,実験間隔はそれぞれ1週間以上あけて行った。被験者は全実験条件に参加した。模擬夜勤時には被験者は,仮眠中を除いて各時刻の初めの30分を労働負担としてキーボード入力による英文転写課題を行った。続いて,後の30分では仮眠取得有無による眠気と疲労感,作業パフォーマンスの変化を調べるために,自記式のアンケート,パソコンによるパフォーマンステストの測定を行った。また,仮眠取得有無による循環器機能への影響と体温リズムへの影響や眠気との関係を調べるために1時間毎に血圧と舌下温の測定を行った。さらに,仮眠取得有無によるその後の睡眠の睡眠構造への影響を調べるため,仮眠時,昼間睡眠時,夜間睡眠時の睡眠脳波,眼電図,心電図を睡眠ポリグラフにより連続測定した。 結果は,1日仮眠条件では,2日仮眠条件と比較して模擬夜勤2日目の覚醒水準を維持することはできなかった。しかし,模擬夜勤中の血圧には2日間とも両条件で差がみられなかった。残りの結果については現在解析中である。
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