研究課題/領域番号 |
14770200
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
浅村 英樹 信州大学, 医学部, 助手 (80324250)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2003年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2002年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | ABO式血液型 / Am型 / AccI / Am / Acc I |
研究概要 |
ABO式血液型の亜型は、近年そのABO対立遺伝子の構造が明らかにされつつある。しかし、A型亜型のAm型については、遺伝様式が複雑な上に頻度が非常に稀であることから、これまでにその対立遺伝子の解析はなされていない。今回、親子鑑定の中で偶然発見された表現型Amを有する家族例について、Am型の糖転移酵素を規定するAm対立遺伝子を明らかにし、またこの対立遺伝子の検出法を検討した。 血清学的検査によって、4人家族は父親と娘が表現型Am、また母親と息子は表現型Oと判定された。表現型Amの父親と娘について、従来行われているABO対立遺伝子261番と703番の変異を標的とした制限酵素を用いたPCR-RFLP法ではA1O型として判定され、Am型に特異的な切断パターンは得られなかった。この対立遺伝子をクローニングし父親と娘の塩基配列を検討したところ、A1型を規定するA101と比較して467番と761番の2箇所に塩基置換を有するAm対立遺伝子が同定され、後者の置換はこれまでに報告されていない変異であった。そこで、761番を標的とする制限酵素のAcc1を用いたPCR-RFLP法では、表現型Amの父親と娘にのみ特徴的な切断パターンを示し、また血清学的検査によってABO式血液型が既知の279例においては、同法で切断されるものは確認されなかった。 以上の結果から、これまでに報告されていない変異を有するAm対立遺伝子を親子間で同定し、これをA112と命名した。この対立遺伝子の検出には従来のgenotype法である2種類の制限酵素を用いたPCR-RFLP法ではなく、制限酵素Acc1を用いたPCR-RFLP法が有効であった。これまでAm対立遺伝子の存在を確認することができなかったA1AmやA2Amといったgenotypeの場合でも、本法によってAm対立遺伝子の存在が確認できると考えられる。
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