研究課題/領域番号 |
14770240
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
浅部 伸一 自治医大, 医学部, 講師 (60281680)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | B型肝炎ウイルス(HBV) / 細胞障害性T細胞(CTL) / HLA tetramer / CTLエピトープ / 細胞性免疫応答 |
研究概要 |
本研究では、B型肝炎ウイルス(HBV)による肝炎発症・感染制御と宿主側免疫応答との関連を解明し、治療法開発・病態解明に役立つ新知見を得るため、HLA tetramer(tetramer)法の構築と応用を目的としてきた。 1.HLA tetramerの作成。 HLA-A24分子・β2ミクログロブリンを大量発現・精製し、抗原ペプチドと混合して、複合体を生成させる。これをビオチン化し、ストレプトアビジン-蛍光色素化合物を用いて4量体(tetramer)化する。HBVの遺伝子よりHLA-A^*2402によって抗原提示され得る11のエピトープ配列を同定し、そのペプチドを合成して11種類のtetramerを作成することに成功した。 2.患者血液中のT細胞の解析。 作成したtetramerを用いて実際に患者血液より分離したリンパ球の解析を行った。感染初期例、および、ラミブジン治療中断後のリバウンド患者にて観察を行った。 ウイルス量の増加に伴って、どの時期にどのようなCTLが増えてくるのかを検討したところ、ウイルス量が増加して、血中トランスアミナーゼが上昇する直前ないし血中ウイルス量の減少前に、複数のtetramer陽性細胞の頻度がわずかに上昇した。上昇程度はごく軽度であったが、そのようなCTL precursorの増加は、健常者コントロールでは観察されなかった。末梢血中のにtetramer腸性細胞数は一時的に減少し、その後、再び末梢血中に出現したが、その後、大きな増加は認められなかった。チンパンジーの系では、感染初期にウイルス特異的CTLが末梢血から肝臓内に移動する現象が観察されている(Compartmentalization)。同様の現象をヒトで観察している可能性もあるが、肝生検は行えないので直接の検証は困難である。今後、臨床データとの関連など、さらに多くの症例で検討する必要がある。
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