研究課題/領域番号 |
14770255
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
堀 和敏 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (20289078)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 肝細胞増殖因子 / 炎症性腸疾患 / 動物モデル / トリニトロベンゼンスルホン酸 |
研究概要 |
肝細胞増殖因子(Hepatocyte growth factor、以下HGF)はhepatotrophic factorとして同定されたが、上皮増殖因子としても機能するため、炎症性腸疾患動物モデルに対するHGFの治療効果を検討した。方法は、Wistarラットにtrinitrobenzensulfbnic acidまたはdextransulfate sodiumを用いて腸炎を惹起させ、浸透圧ポンプを腹腔内に埋め込むことによりrecombinant human HGF(三菱ウェルファーマより供与)を7日間、50μg/day持続投与した。屠殺後潰瘍面積を測定し、組織学的なダメージの程度をスコア化した。上皮増殖能の指標として、proliferating cell nuclear antigen、Ki-67、bromodeoxyuridine免疫染色を施し、labeling indexを算出した。またHE染色の上、上皮の核分裂細胞数を数えた。更に、粘膜のmyeloperoxidase活性を測定し、in situ hybridization法を用いて上皮のapoptosis細胞数を数え、免疫染色でHGF receptorであるc-metの局在を調べた。結果は、HGFの投与により両モデルとも、潰瘍面積、組織学的ダメージスコア、myeloperoxidase活性、apoptoticrateを減少させた。しかし、いずれの上皮増殖能の指標においても、HGFの投与によりその増殖の増加はみられなかった。その理由として、c-metの局在が粘膜の増殖帯ではなく粘膜表層にあるため、上皮増殖作用を発揮できなかったのかもしれない。結論として、HGFは炎症性腸疾患モデルに対して治療効果を示すが、上皮増殖因子として作用するよりも、むしろ抗炎症作用として機能することが示唆される。
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