研究課題/領域番号 |
14770279
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
善場 元美 順天堂大学, 医学部, 助手 (50338373)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2003年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2002年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 気管支喘息 / GS-Xポンプ / MRP / ロイコトリエン |
研究概要 |
気管支喘息はマスト細胞、好酸球、リンパ球等の多くの細胞が関与する気道の炎症性疾患である。ロイコトリエン(LT)は気道平滑筋の収縮、血管透過性の亢進による組織内浮腫、粘液の分泌亢進など種々の生理活性を示して気道炎症の惹起に密接に関与する。なかでもグルタチオンが抱合したLTC4とLTD4,LTE4はアナフィラキシーの遅発反応性物質と呼ばれ、微量でも気管支平滑筋を長時間に渡って収縮させる作用を持つことが知られている。GS-Xポンプ(glutathione S-conjugate export pump)は細胞膜に存在するATP依存性の排出ポンプであり、多剤耐性関連タンパク質(multidrug resistance-associated protein : MRP) MRP1遺伝子がヒトGS-Xポンプの一つをコードしている。GS-Xポンプはその生化学的特徴としてグルタチオン抱合体であるロイコトリエンC4を内因性基質として同ポンプより排出する。そこで我々はロイコトリエンを放出するポンプであるMRPが気管支喘息の病態に関与しているという仮説をたて、昨年度に引き続き気管支喘息患者の気管支粘膜組織におけるMRPの発現およびその局在を免疫組織染色で検討した。MRP1の発現は気道上皮、漿液腺房細胞、そして好酸球やマスト細胞に認められた。喘息の病態においてロイコトリエン産生に非常に関与している好酸球やマスト細胞にMRPの発現が認められた事は非常に興味深いものと考える。さらに我々は現在、MRPノックアウトマウスおよびワイルドマウスを卵白アルブミン(OVA)にて腹腔内(i.P. injection)感作した後、OVA吸入をさせ気道過敏性を非侵襲的体プレチスモグラフ法により評価する実験を施行中である。さらに組織学的に気道のリモデリングの評価や肺胞洗浄液中のロイコトリエン量の違いなども検討する予定である。これらのデータがでればより喘息の病態におけるMRPの関与が明らかにされるものと思われる。
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