研究課題/領域番号 |
14770323
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
的場 聖明 京都府立医大, 医学部, 助手 (10305576)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 心筋細胞 / アポトーシス / 線維芽細胞 / ブラジキニン / 低酸素 / 再酸素化障害 / リモデリング |
研究概要 |
我々は心筋細胞培養系において低酸素/再酸素化障害により心筋細胞からキニン産生が増加されることを報告した(Circulation 99:817-822,1999)。平成14年度は、心筋細胞培養および心筋由来線維芽細胞のそれぞれ培養系において低酸素再酸素化障害において、アポトーシスの誘導機序の違いについて検討した。心筋細胞では、5.5時間/1時間の低酸素/再酸素化では、2.5±1.2%のアポトーシスが誘導されたが、7時間/1時間の群では、アポトーシスは、6.5±2.6%のと増加した。ただしこれ以上低酸素時間や再酸素化時間を延長させてもアポトーシスの増加はみられず、ネクローシスによる細胞死が増加した。pH,細胞内カルシウム、細胞内ATP含量の面から原因を検討した結果、再酸素化直前の細胞内ATP含量およびpHがアポトーシスの増減に最も関与していた。心筋細胞をミトコンドリア分画、細胞質分画に分け検討した結果、アポトーシスに先立ち、Baxの細胞質からミトコンドリアへの移動、チトクロームCのミトコンドリアから細胞質への移動を認め、カスパーゼ3の活性化がみられた。ブラジキニンの前投与により心筋細胞のアポトーシスが48±6.6%減少したが、これは、ブラジキニンおよび一酸化窒素によりBaxの細胞質からミトコンドリアへの移動が阻害されることによると考えられた。 一方、心筋由来線維芽細胞においては、アポトーシスの時間経過を検討したところ24時間/2時間の低酸素/再酸素化にてアポトーシスの細胞が最も増加し、26.5±5.6%であった。再酸素化直前の細胞内ATP含量およびpHがアポトーシスの増化に最も関与していたが、心筋細胞培養より必要な細胞内ATP含量およびPHは低値であった。ブラジキニンの前投与により心筋由来線維芽細胞においてもアポトーシスは、35±4.6%制御されたが、その機序について現在検討中である。
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