研究課題/領域番号 |
14770342
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | (社)北里研究所 |
研究代表者 |
馬場 彰泰 社団法人北里研究所, 北里研究所病院, 内科研究員 (60296572)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 拡張型心筋症 / 自己抗体 / 催不整脈作用 / 心肥大 |
研究概要 |
ヒトリンパ球移植による自己免疫モデルマウスの検討 拡張型心筋症患者末梢血液中の精製リンパ球をC.B-17/lcr-scidマウスへ移植し、移植6ヶ月後に開胸した。対象患者は、(1)健常者(CTL群)15例、(2)抗M2受容体抗体を有する拡張型心筋症患者(DCM群)15例、(3)抗M2受容体抗体を有する慢性心房細動患者(AF群)15例、と昨年度より増やした。血漿BNP値は、CTL群15.3±2.5、DCM群89.5±7.8、AF群67.4±9.2であった。BNPが高値をしめした、DCM群5例とAF群5例の(プロテインA精製)精製IgGを、卵有性卵に添加したところ、心房性期外収縮をDCM群全例とAF群4例に認めた。 エピトープ反復免疫による拡張型心筋症モデルラットの検討 反復免疫ラットの抗原は、(1)対照群、(2)β1受容体、(3)M2受容体、および(4)Na-K-ATPaseポンプで、各群10匹ずつであった。細胞膜GタンパクのWestern blottingでは、対照群と比較し、他3群で有意にGiタンパクの増加を認めたが、Gsタンパクについては4群間で差異は観察されなかった。さらに抗原特異的効果を確認するため、(2)(3)(4)の実薬群3群で細胞膜Na-K-ATPaseのαサブユニットのWestern blottingを追加した。α3サブユニットは、(2)(3)群と比較して、(4)群でのみ有意に減少しており、抗原特異的効果が確認された。 自己抗体の持続投与ラットにおける心病変の検討 スクリーニングされた拡張型心筋症患者血清から特異的免疫グロブン(IgG)を精製した。対象は、(1)健常者(CTL群)5例、(2)抗Na-K-ATPase抗体を有する拡張型心筋症患者(NKA群)5例、(3)抗β1受容体抗体を有する拡張型心筋症患者(beta群)5例、とした。各群のIgGを浸透圧ミニポンプによって、健常ラット皮下より6ヶ月間投与した。心体重比は、CTL群と比較してbeta群で増加傾向をしめしたが有意差はなかった。しかしNKA群では他2群と比較して、有意な増加を認めた。また血漿BNP値は、CTL群28.3±8.9、beta群129.3±18.9、NKA群163.4±25.8であった。 以上により拡張型心筋症における免疫吸着療法においては、上記3種のいずれの自己抗体も除去すべきと考えられた。
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