研究課題/領域番号 |
14770349
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
太田 邦雄 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (00303280)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2002年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | エラスターゼ / 心筋リモデリング / 心血管前駆細胞 / 分化誘導 / 心筋梗塞 / マウス |
研究概要 |
心筋梗塞後の心拡大や心機能低下の程度は虚血障害の強度とそれに引き続く心筋リモデリングに依存し,特に蛋白分解活性による細胞外基質の変化が重要である。本研究では、エラスターゼ阻害因子の一つelafinの過剰発現マウス(本マウス)を用いて、エラスターゼ活性阻害による心筋保護作用について検討を行った。本マウスでの冠動脈結紮による心筋梗塞病変は、14日後野生マウス(対照)に比べて有意に抑制されることが示された(p<0.03)。これは冠動脈結紮後に対照で観察されるエラスターゼの完全な抑制と、ミエロペルオキシダーゼ、MMP2の活性抑制と関連していた。また本マウスにおける冠動脈結紮28日後の心筋収縮力は有意に維持されていた(p<0.03)。さらに、梗塞部位に前駆細胞と考えられるCD34陽性細胞が対照にくらべて集積している傾向があった。つまり、エラスターゼ阻害因子により構築を保たれた部位では、骨髄や末梢から誘導された前駆細胞を効率良く取り込み、心血管系細胞に分化誘導させ、対照では変性した細胞外基質がこれらをコラーゲン線維産生細胞と考えられる線維芽細胞に分化せしめ、心筋リモデリングを修飾し、晩期における心構築、心機能の差となる可能性が示唆された。この仮説を検証するため、X-Galを構成的に発現するROSA26マウスの骨髄を同系野生マウスに移植し、骨髄再構成後に心筋梗塞モデルを作成した。このモデルで、骨髄由来細胞の梗塞部位への集積と分化が観察されており、エラスターゼ阻害剤を投与することで現在エラスターゼの関与を検討している。一方、種々の細胞外基質を塗布した培養皿でマウス骨髄由来接着細胞を培養すると、様々な分化パターンを示すことが観察され、心血管前駆細胞の分化誘導における細胞外基質の重要性が示唆された。
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