研究課題/領域番号 |
14770365
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 高知大学(医学部) |
研究代表者 |
森澤 豊 高知大学, 医学部, 助手 (70315018)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2002年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 牛乳アレルギー / エピトープ / ヒスタミン遊離 / バイオアッセイ / αS casein / β-lactoglobulin / 加熱処理 / 酵素処理 / ミルクアレルギー / 耐性獲得 / 臍帯血培養 / 好塩基球 / ヒスタミン遊離率 |
研究概要 |
目的と対象 牛乳アレルギー患者には、症状が生涯に及ぶ例や、加水分解や加熱処理を加えれば摂取可能な例など、症例により臨床症状が異なる。その原因として加熱や消化による抗原の変性や、患者の認識するエピトープの個人差が考えられる。今回、バイオアッセイを用いて患者IgEの認識するエピトープ(B cell epitopes)を検討した。対象は牛乳摂取により発疹などの即時型反応を発症する患者血清を用いた。 方法 1.感作好塩基球作成; 臍帯血培養により作成した好塩基球に患者血清を添加し、受動感作を行った。 2.抗原作成; αS casein(casein)とβ-lactoglobulin(βLG)の未処理・加熱処理・pepsin処理抗原を作成した。 3.抗原負荷・ヒスタミン遊離率(HTR)測定; 患者血清で感作した好塩基球に上記条件の抗原を負荷した後、ヒスタミン値(EIA法)を測定し、ヒスタミン遊離率(HTR)を算出した。 結果 SDA-PAGEを用いてβLGは過熱によりペプチドが断片化したが、caseinは断片化しないことを確認した。酵素処理ではcasein・βLGともにペプチドが断片化した。未処理抗原に対してHTRはcasein(6例)、βLG(7例)全例で高値をしめし、βLGは過熱処理のみで4例でHTRが低下した。加熱だけではペプチドが断片化しないcaseinは全例、HTRが低下しなかった。酵素処理では、βLG6例、casein4例でHTRが低下した。加熱・酵素処理を加えてもHTRが低下しなかった例はcasein2例、βLG1例であった。 考察とまとめ 牛乳アレルギー患者のB cell epitopesには個人差が存在し、未処理の抗原に対して強い抗原性を示しても、ある例は熱処理で、ある例は酵素処理により抗原性が低下する。更に上記処理を加えても抗原性に変化を認めない例も存在することが確認できた。
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