研究課題/領域番号 |
14770375
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 国際医療福祉大学 (2003) 帝京大学 (2002) |
研究代表者 |
森 庸祐 国際医療福祉大学, 保健学部, 講師 (20328090)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2002年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 周期性嘔吐症 / 偏頭痛 / カルシウム チャンネル / カルシウムチャンネル |
研究概要 |
周期性嘔吐症は病因がまだ不明で、いくつかの異なる病因が混在していると思われる。本研究では、本症の典型的症状を呈する患者の臨床データーの詳細な解析および遺伝子解析を試みた。 【対象と方法】対象は重症の周期性嘔吐症患者10例である。臨床検討は詳細なな家族歴、血清ACTH, ADH,コーチゾール、血糖、尿ケトン体などの血液、尿検査および脳波検査を行った。さらに数種の治療法を試み、治療効果を判定した。遺伝子解析はミトコンドリア遺伝子、神経特異的カルシウムチャンネル遺伝子を検討するために、血液からDNAを抽出し、各エクソンをPCRで増幅後、PCR産物の塩基配列をderect sequence法で解析した。 【結果と考察】治療として、5HT_3作用の鎮吐燕(グラミセトロン)、抗セロトニン作用薬(シプロヘプタジン)または偏頭痛薬であるソマトリプタン、オンダンセトロンを投与し、その効果と臨床データーの関連を検討した。その結果、両親が偏頭痛を持つ患児では発作時の治療としてはソマトリプタン、オンダンセトロンが有効であり、予防薬としてはバルプロ酸が有効であることが明らかになった。また、発作時のソマトリプタン投与は、重症例では2回投与が有効であることもわかった。また、脳波異常を持つ患児ではフェノバール、バルプロ酸が有効であった。過伝子解析では、ミトコンドリア遺伝子には変異は見られなかった。以上の結果から、周期性嘔吐症の多くの患者は偏頭痛に類似した病態を持っていると考えられた。本研究成果はBrain and Developmentに投稿中である。今年、頭痛の国際分頬の改訂版がInternational Classification of Headache disorders 2^<nd> Edition (ICHI)-II)として発表された。本改訂版で、初めて偏頭痛の分類の中に周期性嘔吐症が登場した。これは私たちが以前から主張してきたことであり、また、本研究の成果を裏付けるものと考えられる。
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