研究課題/領域番号 |
14770381
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
斎藤 義朗 東京女子医大, 医学部, 助手 (30328421)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2003年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2002年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 上喉頭神経 / ニューロン |
研究概要 |
除脳ラットにおいて上喉頭神経の電気刺激により嚥下を誘発し、延髄において個々の神経細胞の嚥下・呼吸に関連した活動を記録した。(1)孤束核周辺において非呼吸性の嚥下ニューロンは、咽頭相・食道相にあたる嚥下時活動をそれぞれ有する2群に分けられ、嚥下運動のパターン形成がこの部位で一次的に成立していた。嚥下が吸気直後に誘起されやすいこと、また背側呼吸群の呼吸ニューロンには嚥下時に発火を停止する型が典型的であることから、嚥下時の呼吸抑制・吸気時の嚥下抑制が孤束核周辺の神経連絡によって成立すると考えられた。(2)疑核周辺において、漸減性呼気ニューロンの多くは嚥下時に発火し、漸増性呼気ニューロンは全て嚥下時に発火を停止した。吸気ニューロンのほとんどは嚥下に関連した活動を有さなかった。嚥下に伴う呼気ニューロンの活動は、嚥下時の呼吸停止に加え、嚥下直後に呼気から呼吸サイクルが再開する臨床的事実の裏付けを成すと考えられた。(3)以上の介在ニューロンにおける所見と別に、舌下神経および上喉頭神経の運動ニューロンの嚥下時活動を細胞内記録した。舌下神経運動ニューロンは吸気性・呼気性・非呼吸性の安静時活動を有するが、吸気性・呼気性ニューロンはそれぞれ嚥下時興奮・抑制・変化なしの3型に分けられ、非呼吸性ニューロンは嚥下に関連した変化がなかった。上喉頭神経運動ニューロンは全て嚥下の咽頭相で抑制を受け、その後で興奮した。これらは、舌下神経が支配する外舌筋や、上喉頭神経が支配する輪状甲状筋・下咽頭収縮筋の嚥下時活動に対応する。 以上の結果は嚥下中枢と呼吸中枢の協調に関する知見を広げ、これらは今後の臨床的観察の基礎として役立てられる。
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