研究課題/領域番号 |
14770429
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
高田 憲子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40277116)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ケラチノサイト / 膜裏打ち蛋白質 / 細胞接着 / フォドリン / ヒト表皮角化細胞 |
研究概要 |
細胞膜は、種々の蛋白質からなる膜骨格によって細胞内側から裏打ちされている。我々は、ヒト表皮角化細胞の細胞接着における膜裏打ち蛋白質の役割を検討した。 1)培養ヒト表皮角化細胞を、それぞれ培地のCa^<2+>濃度が0.07mMの状態と1.85mMの状態(細胞は培地中のカルシウム濃度が高値になると接着する→Caスイッチ)で裏打ち蛋白であるフォドリン・4.1蛋白に対する抗体で蛍光染色を行った。Caスイッチの前後で両蛋白は核周囲から細胞膜付近へ移動することが確認された。また、培養細胞内にelectroporation法を用いて抗フォドリン抗体を導入すると、抗フォドリン抗体が導入された細胞では、Caスイッチを行っても細胞接着は起こらず、フォドリンの細胞膜付近への移動はみられなかった。以上より、裏打ち蛋白であるフォドリンは細胞接着に重要な役割を果たしていると考えられた。 2)代表的な水疱症である尋常性天疱瘡・水疱性類天疱瘡、角化異常症であるヘイリー・ヘイリー病、炎症性角化症である尋常性乾癬の皮疹部を1%キシロカインの局所麻酔下に採取し、迅速凍結後、-70℃で保存した。この凍結切片を4μmの厚さに薄切し、抗フォドリン抗体で蛍光染色したところ、水疱性類天疱瘡と尋常性乾癬では、β-フォドリンは表皮細胞の細胞膜に沿って染色されたが、尋常性天疱瘡とヘイリー・ヘイリー病では染色されなかった。尋常性天疱瘡とヘイリー・ヘイリー病は共に表皮細胞間の接着に異常を来す疾患と考えられるため、この結果からもβ-フォドリンがケラチノサイトの細胞接着において重要な役割を果たしていることが示唆された。
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